DeNAは、開幕から「我慢」の戦いを強いられた。打線の中軸で期待されたソト、オースティンがシーズン開幕直前に故障で離脱。ソトは4月12日の巨人戦から1軍に昇格したが、オースティンは右肘の手術を受け、現在もファームで調整を続ける。

主軸を欠く中、投手陣が打ち込まれ広島との開幕カードは3連敗を喫したが、2カード目の中日戦では3連勝。3カード目のヤクルト戦の初戦にも勝利し、三浦監督就任後初の貯金生活に入った。勢いに乗るかに思えた直後、新型コロナウイルス感染による離脱者が続出した。

野手陣では牧ら開幕スタメン5選手が含まれ、投手陣は浜口、石田の先発陣、守護神山崎らがチームを離れた。新型コロナから牧ら野手陣が戻った後の4月下旬には、不動の5番だった宮崎が故障でチームを離脱。3月は3勝3敗の勝率5割だったが、主力の離脱が響き、4月は7勝12敗で終えた。

度重なるアクシデントにも、三浦監督は「このメンバーでどうやって勝とうかっていうことを考えますし、主力の選手を使うところで若い選手が出て、成長することに期待しています。今いるメンバー全員で戦っていきます」とチーム一丸での戦いを強調した。

指揮官の思いに応えるように、チャンスを与えられた若手が躍動した。ルーキー梶原は4月12日の巨人戦でプロ初安打を初本塁打で決め、4安打の衝撃デビュー。投手陣では2年目の池谷は同21日の阪神戦で、入江は5月5日の中日戦でともにプロ初勝利をマークした。

ここまでの投打のMVPを挙げるなら、「投」は伊勢、「打」は牧だろう。セットアッパーに昇格した伊勢は、開幕から21試合連続無失点を継続。9試合連続でパーフェクトリリーフと抜群の安定感を誇る。牧は開幕から4番を任され、早くも球団3人目の新人から2年連続2ケタ本塁打をマークするなど、勝負強さが光る。

5月も試練は続き、キャプテン佐野が6日、大田が9日に抹消され、「勝利の方程式」を担った三嶋も8日に抹消される中、チーム一丸でカバーし、5月は現在7勝8敗。すでに宮崎、佐野も復帰し、浜口、石田も2軍で順調に調整を重ねるなど、交流戦に向け、戦力は整いつつある。【DeNA担当=久保賢吾】

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