救世主になれ! 阪神藤浪晋太郎投手(28)が、「日本生命セ・パ交流戦」の31日西武戦(甲子園)から中継ぎで1軍に復帰する。

4月中旬に新型コロナに感染したが、復帰後は2軍公式戦で14回1失点と絶好調。登板過多気味の救援陣を救うべく、勝利の方程式入りが期待される。借金12で最下位から逆襲を期すチームにとって大事な甲子園6連戦。週末には注目の日本ハム戦も控える。爆発的な投球でBIGBOSSも圧倒だ。

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藤浪が、満を持して1軍の舞台に帰ってくる。新型コロナ感染から4月末に実戦復帰し、2軍公式戦で4試合に登板。14イニングをわずか1失点に抑えて防御率0・64と、文句なしの成績を出してきた。今季は2年連続開幕投手も務めたが、現在は1軍先発6人衆が全員好調の飽和状態で、中継ぎでの昇格が決まった。

矢野監督 上の先発ピッチャーがずっといい形で回っているんで、なかなかチャンスがなかった。(中継ぎで)晋太郎がチームのピースとしてハマってくれたらいいなっていうところで、上げようと思います。

勝利の方程式入りが期待される。ケラーに代わる守護神岩崎は好調だったが、今月中旬以降で2敗。セットアッパー湯浅も14試合連続0封中だが、直近3試合は走者を背負う場面が目立ち、7回のアルカンタラを含めて勤続疲労が見える。好投を続けていた浜地は、右下肢の張りで今月中旬に離脱。登板過多気味のブルペン陣の負担を軽減するべく、ロング救援も可能な右腕に救世主役が託された。先発が不調に陥った場合のジョーカー役も見据え、登板を重ねる見込みだ。

阪神は今季、7回に失点すると1勝6敗。8回の失点試合も1勝4敗で、7、8回に逆転されたりダメを押されると、反発力なく敗れるケースが目立つ。特に交流戦はチーム打率2割1分6厘、11得点とも両リーグワースト2位で、さらに貧打が深刻。いかに終盤を0で抑えて守護神岩崎につなぐか。31日にも自力Vが消滅する崖っぷちで、アルカンタラらと7回の男を期待される藤浪にかかる比重は大きい。

“因縁”の対決も間近に迫る。借金12の最下位から逆襲を期すチームにとって、少しでも白星を増やしたい甲子園6連戦。西武戦の後には、新庄BIGBOSS率いる日本ハムを迎え撃つ。2月春季キャンプでは、新庄監督が「藤浪くんが打てたら誰でも怖くないだろうと」と、藤浪の投球フォームを映像に使用したバーチャル打撃マシン、通称「藤浪くん」を活用。実際に対戦した11日の練習試合では、藤浪が3回無失点の好投で返り討ちにした。

かつて阪神でプレーした新庄監督の凱旋(がいせん)試合は、4、5日の入場券が完売し、3日も残席わずか。藤浪との再戦が実現すればさらに盛り上がる。

救援では通算29試合に登板し、11ホールドを挙げるなど豊富な経験がある。短いイニングで持ち前の爆発力を発揮し、パの強打者を粉砕する。【古財稜明】

▼阪神は31日にも今季の自力優勝が消滅する。条件は(1)ヤクルト○なら阪神●または△(2)ヤクルト△なら阪神●。いずれの場合も、6月1日以降に阪神が残り89試合に全勝しても、ヤクルトが阪神戦13試合を除く79試合に全勝すれば、最終勝率で阪神を上回るため。ここまで3試合続けてヤクルトと〇〇●の相星で免れているが、4度目の崖っぷちも踏ん張り切れるか。

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