阪神が西武の猛追を振り切って、一夜で自力優勝の可能性を復活させた。この日はセ・リーグ5球団が全敗。交流戦が全6試合行われた日にセ球団で阪神だけ勝ったのは過去3度あり、17年6月10日以来5年ぶりの「1人勝ち」になった。

この日は打線が奮起。序盤から幸先よく主導権を握った。1回に連打から近本の遊ゴロの間に先制点を挙げた。3回は佐藤輝が左前適時打を放ち、大山悠輔が左翼に9号3ランをかけて、一挙4点を追加。甲子園では今季最多の5点を挙げ、優位に試合を進めた。

6回は西武に突き上げられた。先発の西純は球が浮き始め、オグレディに右前適時打を浴びて降板。渡辺、加治屋が止めきれず、1点差まで詰め寄られた。だが、終盤は必勝パターンの継投で逃げ切りを図る。7回はアルカンタラが登板し、無難に抑えた。8回は湯浅が登板してつないだ。この日はオールスターのファン投票第1回中間発表で佐藤輝、青柳、湯浅がリーグ1位発進。チーム別最多の3部門でトップ票を集めた「御礼」の一戦になった。

前日5月31日に自力優勝の可能性が消滅していた。低迷の課題は明白だ。チーム防御率は試合前までリーグ1位の2・76だが、チーム打率2割2分2厘は同ワースト。深刻な貧打が影を落としていた。厳しい戦いが続く中、意地が光った。

▼阪神の自力優勝の可能性が復活した。2日以降、阪神が残り88試合に全勝し、ヤクルトが阪神戦13試合に全敗し他球団との78試合に全勝すると、両球団は109勝33敗1分けの勝率7割6分8厘で並ぶ。このとき阪神はヤクルト戦に17勝8敗と勝ち越しを決めており、規定に基づいて阪神が上位となるため。

阪神がセ・リーグ球団中唯一の勝利を挙げた。交流戦が同一日に6試合行われ、セで阪神だけが白星だったのは、05年6月11日、13年5月19日、17年6月10日に続いて5年ぶり4度目。

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