三菱重工West(神戸市・高砂市)が接戦を制し、2年連続の都市対抗本戦出場を決めた。息詰まる熱戦を締めくくったのは元阪神、オリックスの金田和之投手(31)だった。1点リードの8回から登板。2四球を与えて2死一、三塁のピンチを背負うが、後続を遊ゴロに抑えた。9回は3者凡退。土壇場で耐えた。

金田は都城商(宮崎)、大院大を経て、12年ドラフト5位で阪神入団。17年から昨季までオリックスでプレーした救援右腕だ。通算121試合登板で12勝2敗2ホールド、防御率4・64。昨季限りで戦力外になり、12月は12球団合同トライアウトを受けた。NPB入りこそならなかったが、視察した日本ハム新庄剛志監督(50)に見初められ「投球のリズムの良さと真っすぐのキレ。でも、ここにいるということは変化球でストライクが取れずに、どうしても真っすぐで勝負をして打たれていた投手じゃないかなと思う。修正できれば、面白いピッチャーになるんじゃないかな」と評されていた。

金田は、社会人野球1年目でチームを全国に導いた。BIGBOSSの高評価も、心の支えにしてきたという。「そこで名前を出してもらって、自分の中で励みになりました。やっぱり野球を続けたいと思わせてくれた言葉でした。感謝しています」。都市対抗は7月18日に東京ドームで開幕。「楽しみ。プロで使った球場。アマチュアの全国大会で投げられる」と声をはずませた。「日本一という目標に向かって、クローザーで頑張ってくれとGMや監督に話していただいた。まず第1段階の切符を取れたのは大きい。チーム一丸で取れたのはよかった」と前を向いた。