日本ハム加藤貴之投手(30)が8試合ぶりの白星を手にした。中日戦に先発。中4日での登板も、7回を6安打無失点に封じる快投をみせ、4月19日楽天戦以来の3勝目を挙げた。

交流戦は勝ち星こそ1も、計4試合26イニングを投げ無失点の好成績。7年目の左のエースが、チームを交流戦同一カード3連勝フィニッシュに導いた。

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「たまたまです」「運がよかった」。快投の要因を聞かれても、加藤は淡々と繰り返した。中4日で臨んだ交流戦最終戦のマウンド。普段通りのポーカーフェースで、ひょうひょうと投げ抜いた。7回6安打無失点、球数79球。交流戦を計4試合26イニング無失点で締めくくった。「たまたまです。運がよかった。野手のいいプレーもあったし、キャッチャーの宇佐見と(石川)亮のおかげです」。

最大のピンチは1点リードの6回。2死から二塁打、四球などでつながれ満塁とした。武田投手コーチがマウンドへ。軽く汗を拭ったが、表情は変わらない。「逆に開き直って、思い切って投げられた」。木下を2球で追い込み、137キロのフォークで遊ゴロに打ち取った。7回を投げ終えると、ベンチで歩み寄ってきた新庄監督とタッチ。役目を終えた。

BIGBOSSがひそかに目指す形に、結果で応えた。前回7日のDeNA戦は、先発し6回4安打無失点で球数は74球。先発としては初めて中4日で登板するための早期交代だった。「中4ローテ」は新庄監督の理想の1つ。加藤は「上沢もやっていたし、自分も出来るのかなって。1回くらい経験してみたかった」と少しだけ表情を崩した。

新庄監督は球団を通じて「加藤くんにやっと勝ちをつけてあげることができて、ひと安しんじょうつよし」とユーモアたっぷりにコメントを残した。4月19日楽天戦以来、登板8試合ぶりとなる3勝目。左腕は「ゼロに抑えれば負けない。その言葉を常に考えながら投げていました」とうなずいた。勝敗に左右されず、自身の投球を貫く-。7年目の左のエース。ポーカーフェースの下でしっかりと、自覚と覚悟を増している。【田中彩友美】

▼日本ハム加藤が中日戦(札幌ドーム)で7回無失点。交流戦は5月24日ヤクルト戦から4試合に先発し、計26イニングを投げ被安打19、四死球3で無失点に抑えた。防御率は交流戦前2・59→1・76に。パ・リーグ投手ランキングでソフトバンク千賀(1・70)、ロッテ佐々木朗(1・70)、オリックス山本(1・72)次ぐ4位に浮上した。交流戦の無失点(規定投球回到達者)は、加藤と阪神青柳(23回2/3)の2人。

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