阪神佐藤輝明内野手(23)がインタビューに応じ、4番として一打に懸ける思い、責任感を語った。交流戦はラストゲームで13号3ランなど自己最多6打点を挙げ、チームの4位浮上に貢献して締めた。リーグ再開を控え、今季ここまでのベスト弾、好調なDeNA牧への羨望(せんぼう)など今の心境をたっぷり明かした。

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取材後記 もっとチャンスで打ちたいと語ったが、印象深い一撃も前半戦でも多数あった。その中でも、開幕からの9連敗を止めた4月5日DeNA戦のアーチ。右翼席に吸い込まれた瞬間、虎党の歓声で甲子園の空気がびりびり震えるのを感じた。

直近では佐藤輝もインタビューで挙げた5月27日ロッテ戦の9回の1発が印象的だ。佐々木朗とウィルカーソンが無失点で投げ合い、0-0のまま9回は守護神の益田と対決。昨年はフルカウントから三飛で、今年も右腕のシンカーに空振りしてフルカウントに。敵地の虎党からため息が漏れたが、最後は地面につきそうなシンカーをすくい上げ、バックスクリーンに放り込んだ会心の一撃に主砲もガッツポーズしていた。記者席で思わず「すごい」と口にした。

矢野監督はこれまでに「チームの中心になりつつある成長をしている」と語っている。ただ佐藤輝の求めるものは「結果を出してチームを勝たす」こと。その意味では勝利打点5は大山に1つ上を行かれ、「もっと」と思うのもうなずける。

交流戦の最終戦では、1月に合同自主トレを行った「師匠」オリックス吉田正の前で適時打2本と3ランで6打点と躍進。佐藤輝も「チャンスで打てた」と納得だった。前半戦を良い形で締めた背番号8は後半戦もその波に乗っていくだろう。【三宅ひとみ】

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