阪神佐藤輝明内野手(23)が、指揮官の“予言”通りの逆転2点打で5連勝に導いた。1点を先制された直後の1回裏1死一、三塁。左腕浜口のスライダーを左中間へ打ち返し、すぐさま試合をひっくり返した。「積極的にいこうと。すぐに逆転できてよかった」。

7得点で勝利した前日17日は無安打。矢野監督は「明日はテルが打ってくれると思う」と話していた。「いつも期待してくれているので今日みたいにヒットをもっと増やしていきたい」。今季70安打、40打点はいずれもリーグ5位タイ。まだまだ満足するつもりはない。

父の日を翌日に控え、青いバットで試合前練習を行った。規定により試合で使えないカラーだが、父の日仕様の相棒で試合への準備を済ませた。昨年の父の日は青いリストバンドを装着し、豪快な本塁打。「世の中の父親に、お父さんにいいところを見せられるように頑張ります!」。上昇ムードで19日、2年連続の「父の日弾」に期待が高まる。

何より、元気に野球をする姿が父博信さん(55)への恩返しにもなるはずだ。自身も所属していた甲東ブルーサンダースでプレーする小学6年の三男・悠君が5月に県大会に出場。自身が小学6年の時以来、12年ぶりに大舞台に立ったチームの中心選手として活躍した。関学大4年の次男・太紀内野手は4月にリーグ戦デビューし安打を記録。「頑張って、楽しくやってくれれば、僕はすごくうれしい」。佐藤家の長男は手本を見せるように、日々ハツラツとプレーしている。

「後ろに心強いバッターがいるので、もっと出塁して得点につながるようにやっていきたい」。6月9本塁打の5番大山との相乗効果も計り知れない。2人がそろって打点を記録した試合は11連勝だ。お立ち台では先輩の隣で「勢いに乗っているので、もっと勝っていけるように頑張ります」と力強く約束した。【中野椋】

▼佐藤輝が大山とそろって打点を挙げた今季の試合で、阪神は11勝1敗。3月30日広島戦で負けたのみで、4月22日ヤクルト戦から11連勝だ。

▼6月に入って阪神は、全13試合で4番佐藤輝、5番大山の並びを継続。11勝2敗と快走中だ。今月だけで2人の打点そろい踏みは4度。左右の主軸がかみ合い、白星を重ねている。

▼阪神は6月に入り、11勝2敗の貯金9と快進撃を続けている。19日も勝てば、9試合も残して今季初の月間勝ち越しが決まる。なお月間勝利数の球団記録は19勝で、64年8月と68年8月の2度。

▼阪神は交流戦明け初のDeNA3連戦で、カード勝ち越しを決めた。リーグ戦再開となる最初のカードでは、15年ヤクルト戦○○以来7年ぶりだ。最近5シーズン(16~19、21年)連続で負け越し。この期間通算1勝12敗と、苦戦が続いていた。

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