新リードオフマンに抜てきされた阪神中野拓夢内野手(25)が、3安打3得点と奮起した。今季は主に2番で、1番は4月20日DeNA戦以来、約2カ月ぶり。延長11回までもつれたシーソーゲームの中で、2年目の背番号51が存在感を示した。

中野を筆頭に、打線の組み替えが功を奏した。6月から1番が続いていた島田を2番で起用。1点を追う3回、2死から中野が左前打、島田が四球で続いて一、二塁とし、好調の3番近本が中前へ同点打を放った。5回も1死から中野、島田、近本の3連打でチャンスをつくり、佐藤輝の一塁への内野ゴロが併殺崩れとなる間に再び同点に。再び1点を追った7回は先頭で中野が右前打を放ち、2死三塁から佐藤輝の左前適時打で生還した。

中野は序盤に訪れたアクシデントを乗り越えた。3回の近本の適時打で本塁へヘッドスライディングした際にクロスプレーで捕手会沢と衝突。ボールはこぼれたが、微妙なタイミングの中で隙間から左手をねじ込みベースをタッチしていた。ただ、顔面付近を痛めた模様でしばらくその場から動けず、トレーナーとともにベンチへ下がって治療を受けた後、プレーを続行。ガッツをみせ、最後まで試合に出続けた。

チームは前日21日に難敵床田を攻略できず敗北。試合後に井上ヘッドコーチが「得点を生み出すバッターの前にいかにランナーを出せるかどうかが鍵だと思う」と説明し、上位打線について「もっとねちっこく、粘りをみせることが先決かな」と指摘していた。最後はアルカンタラが踏ん張りきれずサヨナラ負けとなったが、新打線の奮闘は次戦への希望の光となった。【古財稜明】

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