マツダスタジアムで入団会見を行った広島の秋山翔吾外野手(34)が1軍の全体練習に参加した。

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合流初日、同じ左打者の宇草と同組でフリー打撃を行う秋山の姿に、不思議な縁を感じた。あれは17年、交流戦のことだった。当時メットライフドーム(現ベルーナドーム)での西武戦後、迎打撃コーチはチームバスに向かう球場内通路で急に足を止めた。携帯電話を取り出すと、壁に貼られた「火災予防ポスター」をパシャリ。「これだよ、これ」。そう言ってバスに乗り込み、車内で野間に転送した。そう、聞いたことがあった。

2人が共有した写真には、イメージキャラクターに起用された当時西武の秋山が右足を大きく上げテークバックをとった姿が収まっていた。左打者が参考にすべき「理想的な形がある」と、迎コーチは感じていた。5年の月日を経て、同じユニホームに袖を通すことになった今も、その技術は色あせない。「どの打撃写真を見ても、やっぱりきれい。構え、トップの位置…。打ちそうな写真をいたるところで見ている。確固たる技術がある。若手への影響は自然とあると思うし、僕らも吸収させてもらうことがあると思っている」。これからは写真ではなく、目の前で示す姿そのものが、広島ナインの生きた教材となっていく。【広島担当=前原淳】