中日根尾昂投手(22)がプロ初ホールドを手にした。

これまでの5試合はすべて敗戦処理だったが、初めてリードした展開で5番手として登板し、打者1人を抑えた。異例のシーズン途中での投手登録変更から3度目の登板。大野雄大投手(33)が試合直前に背中の張りを訴え、先発回避する緊急事態の中で、チームの勝利に貢献した。

5回2死一、二塁のピンチ。立浪監督が球審に交代を告げた。「ピッチャー根尾」。大きく手を広げバックスクリーンへ向かって深呼吸をする「投手」根尾のルーティンを終え、昨季リーグ最多安打の近本と対戦。初球149キロ直球は外れたが、、2球目は137キロのスライダーで近本のバットに空を切らせた。3球目は渾身(こんしん)の151キロストレート。高橋周の好守にも助けられ三ゴロに打ち取り、プロ初ホールドを手にした。

根尾は「とにかく抑えようと思ってマウンドに上がりました。(高橋さんには)今日のプレーだけでなくいつも助けてもらっているので感謝しかありません。次も抑えます」と次戦をにらんだ。

立浪監督は「あの場面でストライクが入らないとかがなかった。さすがだな、と思った」と感服。今後の起用法については「1軍の戦力として(今後の起用法は)考えてはいます」。登板6試合、防御率1・93。最下位に甘んじる竜のブルペンでの根尾の立ち位置が変わった。【伊東大介】

 

○…山下の3回に先制代打1号ソロを放った。阪神先発青柳の変化球を捉えると打球はバックスクリーン左へ。楽天時代の19年6月以来3年ぶり、育成契約を経ての中日移籍後初アーチをかけた。「今日ベンチ裏で石川昂のバットを見つけました。石川昂も今日の手術を成功したので、思いを込めて打ちました」。左膝手術で今季絶望になった3年目の大砲候補生の宝刀で勝利に貢献した。

○…大野雄の登板回避に伴い先発マウンドに上がった藤嶋が3回1安打無失点と好投した。先発を告げられたのは試合開始約1時間前。「ブルペン陣は大野さんにいつも助けてもらっている。今日は大野さんを助けようと思って投げました」。プロ入り初先発は松坂が登板回避した18年6月17日西武戦(メットライフドーム)。6回2失点で初勝利を挙げている。18年9月25日ヤクルト戦以来、4年ぶりの先発できっちりと大役を果たした。

○…A・マルティネスが同点の8回2死二塁で阪神3番手湯浅から7号勝ち越し2ランを放った。「リリーフが頑張ってくれた。100%打たないといけないと思った。昨日キューバの父から電話で『お前が本塁打を打つ夢を見た』と言われ、その通りになった」と、父の夢を正夢にしたことに笑顔。左肩痛でリタイア中の主砲ビシエドに並ぶチーム最多タイアーチで、代役から主役へ昇格した。

▽中日立浪監督(大野雄登板回避で8人継投での勝利)「藤嶋が3イニングを投げてくれたことで試合の形にできた。今日は本塁打2本で勝てた。チームの勢い、力にしたい」

▽中日R・マルティネス(24試合連続無失点で17セーブ)「いつもの気持ちでマウンドに上がって投げる事だけを心がけました」

▽中日清水(6番手で2回無失点。16ホールド目を挙げ28日巨人戦3失点の汚名返上)「山形でああいう登板をして、またぎでもあり、とても思いのある2イニングでした」

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