新型コロナウイルスの影響で活動休止していたソフトバンクが、5日ぶりの復帰戦に競り勝った。1点を追う9回に、逆転の決勝2点打を放った中村晃外野手(32)は「試合に出られないメンバーの分も、今出られるメンバーで頑張っていこうと、監督からも話がありました。みんなひとつになって戦えたのかなと思います」とチームの思いを代弁した。

先月末から1軍の選手やスタッフ計18人がコロナ陽性となり、2試合が中止。チーム活動は休止となり、試合どころか、練習もままならない時間を過ごした。長谷川打撃コーチは「いい意味で言えば、試合に飢えている。グラウンドで暴れることに対して飢えていると思う。そういう表情を見せてくれたら、言うことない」と、打線に期待をかけていた。

この日は初回に1点を先制も、2回以降追加点を奪えていなかった。「飢えて」いた打線が、最後に奮起した。9回先頭の牧原大、続く柳田が連打。柳町の犠打で、1死二、三塁に好機を広げた。今宮が凡退の後、中村晃が試合を決めた。

チーム一丸での逆転劇。藤本監督は「今日の勝ちは大きいですよ。主力がいない中でも、今日のオーダーを見ても十分、パ・リーグの中でも戦っていける。各選手が自信を持ってやってくれたらいい」と胸を張った。戦力ダウンをはね返し、5連勝中と勢いのあった西武を止めた。2位楽天とのゲーム差も2・5に広げ、価値ある1勝になった。【山本大地】

○…東浜は1点を守れなかった。「初回から走者をためてしまい、球数を多く使いながらの投球になってしまった」。初回に先制点をもらったが、制球に苦しみ3回森の適時二塁打で同点とされた。今季はノーヒットノーランを含め対西武は無失点だったが、26イニング目にして初失点。序盤から球数が多く、5回100球で降板。「最少失点で抑えることはできましたが、5回で降板することになってしまい中継ぎ陣には負担をかけてしまった」と反省した。

○…守護神復活を目指す森が約3カ月ぶりの1軍マウンドで好投した。先発東浜を継いで6回に登板。森、山川、外崎の主力をきっちり3人で片付けた。「1軍に上がってきて最初の試合でいい投球ができて本当に良かった。チームの勝ちに貢献することができて良かったです」。山川の初球の直球は147キロも計測。課題の1つでもあった球速アップもアピール。「明日からもチームの勝ちのために投げたい」と笑顔だった。

○…柳田が今季初の4番で2安打1打点をマークした。初回は1死二、三塁で先制犠飛。4回に右前打を放ち、9回無死一塁では中前打で好機を広げ、逆転につなげた。「ワンチームです。試合をできることに感謝しながら、やろうと思いました。勝てて最高の雰囲気になって良かった」。首と肩を痛め6月27日ロッテ戦を欠場していたが、指名打者で復帰。デスパイネらを欠く打線を引っ張る。

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