日本ハム新庄剛志監督(50)が超仰天コンバート案を温めていることが判明した。三塁手の野村佑希内野手(22)に今秋から捕手挑戦プランを通達していることを明かした。現時点でも4番候補として期待が高い打力を生かすべく、課題の守備で適正ポジションを探る考え。現捕手陣のレベルアップも促す、強力な刺激策でもある「4番キャッチャー野村」構想が、シーズン終了後に動き出す。

   ◇   ◇   ◇

BIGBOSSは本気だ。「来年、ジェイ(野村)のキャッチャー案も面白い。試す価値はある」。今季は主に「4番サード」で起用する野村を、シーズン終了後の秋季教育リーグから捕手に挑戦させるプランをぶちあげた。「4番キャッチャー、面白い」と、目指す最終形は打てる捕手だ。

本人には「1カ月半ぐらい前に」通達済みだという。その際に野村は「モリーナ・モデル、頼んでおきます」と、現役メジャーの名捕手と同型のミットを用意すると返答。新たな挑戦へ、意欲を見せたという。

超仰天コンバート案には複数の狙いがある。1つは野村のさらなる飛躍のため。打撃では打率2割8分6厘、6本塁打と成績を残し、ファン投票で球宴初出場を決めた。一方で守備は三塁手でリーグワーストの8失策で「エラーをした後に打撃にも響いている感じがする」。捕手に挑戦して「配球も覚えてくれたら(打撃に)めちゃくちゃプラス」と相乗効果も期待する。

また、三塁や一塁は助っ人とのポジション争いも絶えないが、「正捕手になったら、ケガがなければ35歳以上まで長くできる」。野村がミット発注のモデルとして挙げたカージナルスのモリーナは、40歳の今季も第一線でプレーしている。

もう1つの狙いは、現捕手陣へ成長への刺激を与えること。後半戦も「DHと捕手は固定できない」と話しているように、レギュラー争いが混沌(こんとん)とするポジション。打てる捕手の台頭は積年の課題で、打力がある野村の捕手転向案は競争心をあおる。さらに、チーム全体へ向けた「競争は来年も変わらない。それがなくなると強くならない」というメッセージでもある。

新庄監督は「違うなと思ったら何カ月も練習させないけど、3、4年後にキャッチャーで3割1分、20発ぐらい打ってたら、始めたことが正解になる」と本気だ。恩師の野村克也氏ばりの強打の捕手をイメージしながら「4番キャッチャー野村」計画を今秋から始動する。【木下大輔】

○…日本ハムは今季、支配下登録されている7捕手全員が1軍でスタメンマスクを経験した。新庄監督は投手との相性なども見極めながら、各選手にチャンスを与えてきた。最多スタメンは宇佐見の50試合で、打率2割4分8厘、4本塁打は捕手陣の中でトップ。他の6捕手は打率2割以下で本塁打なし。スタメン出場数は石川亮が15試合、郡と梅林が6試合。昨季は捕手陣最多スタメン(81試合)だった清水は4試合にとどまり、田宮が2試合、古川裕が1試合。

◆野手から捕手へ転向した主な選手 大洋時代に内野手だった斉藤巧は、ロッテ移籍後の85年に転向し、捕手で通算228試合に出場。内之倉隆志(ダイエー)は3年目の93年途中に内野手からコンバート。98年には46試合に捕手で出場した。02年センバツ優勝の報徳学園で遊撃手だった尾崎匡哉(日本ハム)は08年春のキャンプから挑戦。翌09年から登録を変更して臨んだが、捕手では通算5試合の出場にとどまった。

【関連記事】日本ハムニュース一覧