巨人がコロナ禍から抜け出せない。21日に実施した新型コロナウイルスのPCR検査で、選手8人を含む10人が陽性判定を受けた。これで19日からの3日間で選手41人を含む計67人が陽性と判定。この日に行われた12球団の臨時実行委員会ではチーム編成が困難と判断され、22日からの中日3連戦(バンテリンドーム)の延期が決定した。前半戦は45勝50敗1分けで、18年以来の借金ターン。コロナ禍のチームは当面の活動を休止し、22日以降もPCR検査を行っていく。

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3日連続で、巨人に2ケタの陽性者が出た。PCR検査では1軍の中山ら選手8人と1軍スタッフ2人が陽性判定を受けた。スクリーニング検査を開始した19日は17人で、20日には40人。1軍と2軍で別ルートからの感染が同時に起こった模様で、3日間で67人と感染拡大に見舞われている。

試合延期も余儀なくされた。この日、12球団が臨時の実行委員会を開催した。支配下の野手でプレー可能なのは11人のみ。今後に陽性者が出る可能性もあるだけにチーム編成は厳しく、協議の末に22日からの中日3連戦の開催は不可能と判断された。

残り3試合を戦うことなく、無念の前半戦終了を迎えた。臨時の実行委員会前に開催されたオーナー会議後、山口寿一オーナーが同会議の議長としてリモート会見に臨んだ。試合実施の可否が協議される前だったが、コロナ禍の厳しい現状を直視。「私どもは従来、極力、公式戦を休まない、戦力がたとえ落ちたとしても、予定された試合は必ず行う方針でこの2年半やって参ったんですけども、今回はさすがにちょっと参りました」と、見えざる敵の脅威を口にしていた。

後半戦に向けたチームの再整備もままならない。29日のDeNA戦(横浜)で初戦を迎えるが、当面の間はチームとしての活動は不可能に。投手陣では先発ローテーションを守る菅野やシューメーカーに守護神大勢、野手陣は4番岡本和に丸、中田、大城ら主力の調整に狂いが生じるのは、やむを得ない。

まずはこれ以上の感染拡大を防ぐべく、球団は22日以降も連日PCR検査を継続。陽性者を早期に見つけることに注力する。日本全国で猛威を振るう新型コロナの第7波に、巨人がのみ込まれている。【浜本卓也】

 

◆巨人が見舞われたコロナ禍 18日午後に2、3軍の選手とスタッフの計7人が発熱や倦怠(けんたい)感などを訴えたため、19日のイースタン・リーグ・ロッテ戦を中止に。同日に2、3軍の選手ら163人にPCR検査を実施し、高橋ら選手11人を含む17人が陽性。翌20日のヤクルト戦前に大勢と菊地、試合後には出場していた岡本和ら、選手20人を含む38人の陽性判定を発表。この日は1軍の13選手を「特例2022」を適用して出場選手登録を抹消した。