完敗スタートだ。広島大瀬良大地投手(31)が後半戦開幕投手を務めるも、今季最短タイ3回4失点でKOされた。1回に阿部の先制犠飛などで2点を失うと、3回はビシエドに2打席連発となる2ランを被弾した。前回中日と対戦した8日に続く3回降板で、今季6敗目。1日巨人戦での7勝目以降、白星から遠ざかる。打線も8回途中まで無安打無失点に抑えられるなど1安打ゼロ封で、後半戦は借金生活からの再スタートとなった。

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新球を手にプレートを踏むまでの長い時間が、苦悩ぶりを表していた。今季2度目の“開幕投手”を任された大瀬良だったが、立ち上がりから失点を重ねた。1回はわずか4球でピンチを迎えた。1死から岡林の一塁への強い打球を松山が止められず、三塁打となった。間を置いて対戦した3番阿部には右翼定位置付近へ飛球を打ち上げられ、あっさり先制点を献上。続くビシエドにはフルカウントからタイミングを外そうとした116キロカーブを左翼席にまで運ばれた。プレーボール直後の2失点は、チームに重くのしかかった。

「先に点をやりたくなかったですけど、流れに乗れなかったです。悔しいし、チームに申し訳ないです」

2回を無失点に抑えても、乗り切れない。3回1死二塁から再びビシエドに、左中間席へ2打席連続2ランを被弾。カウント0-2から引っかけたような低めボール球直球をすくい上げられた。「投げ損ないではありますけど、あそこのボール球まで食いついて、ああいう形で打球が上がっていくとは想像していなかった」。本来の投球であれば、あそこまで飛ばされていないに違いない。

エースの苦悩は、フォームにも表れる。前回22日ヤクルト戦の3回から2段モーションをやめた。この日はプレーボールから、大きく上げた左足をそのまま踏み込んだ。「思ったように投げられていないもどかしさとか、フラストレーションもあります」。試行錯誤する中でも、求めた結果は得られなかった。

打線は中日高橋宏の前に8回途中まで無安打無得点に抑えられるなど、今季最少1安打に抑えられた。投打ともに完敗で、後半戦は再スタートから借金を背負った。佐々岡監督は「後半戦開幕というところで、エースに託したいという気持ちだった。いろんな面での強さとかを1週間で。次回に早めに切り替えてもらいたい」と奮起を促す。投球はもちろん、はい上がる姿を見せるのも、大黒柱としての役割だ。【前原淳】

▽広島小園(8回1死から左中間へチーム初安打となる二塁打を放ち、ノーヒットノーランを阻止)「追い込まれていたのでしっかり対応するだけだった」

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