広島秋山翔吾外野手(34)がDeNA戦でマルチ安打を放ったが、降雨ノーゲームで幻になった。

だが、前回対戦で3三振を喫した左腕石田から放ったクリーンヒット2本は復調を印象づけた。この日、勝ち頭の床田寛樹投手(27)の右足骨折が判明して長期離脱が不可避となる中で、明るい材料となった。5日のホーム阪神戦からは虎キラーの主砲マクブルームも合流予定。まずは後半戦初勝利からの巻き返しに全力を注ぐ。

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4回1死、ノーゲームが宣告された直後の広島ベンチには、笑顔があった。後半0勝で6連敗中と悪い数字は持ち越したまま。それでも、沈んでいない。希望は秋山の“2打数2安打”だ。「結果ノーカウントなので。こればっかりはしょうがない」。2戦ぶりマルチ、5戦連続安打、打率3割復帰はすべて幻になったが、調子が上向いていることは間違いない。

前回12日に3打席連続三振を喫した左腕石田との再戦だった。1回2死から外角カーブをきっちり捉えて左翼前へチーム初安打。4回は先頭で追い込まれながら、外寄りの132キロをきれいに中堅前にはじき返した。「割としっかり打てたので、残念は残念ですかね」。リベンジも幻となり、思わず苦笑いを浮かべた。

広島移籍から1カ月がたち、セ・リーグ5球団との対戦も1巡した。甲子園を除く敵地でもプレーするなど、新天地での環境にも慣れてきたこともプラス。「不安というか、分からないことがなくなってきて、いい方向に出ればいいと思う。結果につながればいいかなと思います」。セ球団と対戦が2巡目となった後半戦は18打数6安打で打率3割3分3厘、5打点。連敗中のチームの中で、数少ない明るい材料といえる。

本拠地での5日阪神戦から主砲マクブルームも合流予定だ。新型コロナウイルス陽性判定を経て、練習を再開。佐々岡監督は「(5日合流の)その予定です。今週から動き始めていて、しっかりと動けているという報告を受けている」と阪神戦打率3割6分の虎キラーに期待を寄せる。助っ人の復帰は3番秋山だけでなく、代わって4番を務める坂倉の負担も軽減されるに違いない。雨降って地固まる-。復調組と復帰組がかみ合えば、再び浮上できるに違いない。【前原淳】

○…後半戦初勝利は本拠地に持ち越しとなった。中継ぎ登板から中4日で先発した九里は中断となる4回1死まで完全投球だった。「天気は自分では操作できない。しっかりと初回から入っていくことができた。また次、言われたところにしっかりと合わせてやっていければ」。中5日での先発が予想される次回登板を見据えた。チームは後半戦未勝利のまま。6連敗で5日から阪神3連戦(マツダスタジアム)に臨む。

▽広島佐々岡監督「(先発九里が)テンポよくストライク先行でいい投球をしていたので、やりたかったですけど、この雨ならしょうがない」

○…2軍調整中の西川が9日ヤクルト戦(マツダスタジアム)からの1軍合流に向け、最終調整に入った。6月上旬に下半身コンディション不良で離脱。7月29日のウエスタン・リーグ阪神戦に指名打者で実戦復帰し、左翼守備をこなすなど負荷を上げてきた。佐々岡監督は9日からの1軍昇格に向け「明日(5日)からの(ウエスタン・リーグ)中日戦(ナゴヤ)に出ての判断になる」と、見通しを立てた。

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