ソフトバンク今宮健太内野手(31)が「禁断の1発」で混戦にけりをつけた。同点の9回2死、ロッテ守護神の益田から左翼へ決勝の2号ソロ。「きれいに打つというよりは、三振でもいいや、くらいの割り切った気持ちで行きました。まさか、本当に打てるとは思ってなかったですね」と、すがすがしい表情で振り返った。

今宮の本塁打は4月20日オリックス戦で放った1号以来、約4カ月ぶりだ。3割近い打率をキープする今季は「(本塁打を)打ちたいんですけど、1本のままで終えられるように」と、本塁打を封印したコンパクトな打撃で好成績につなげていた。

球宴で限定的に解禁したが「あんまり良くなかった(笑い)」と、後半戦でもコンパクト打法を継続。均衡した場面で、4年連続2桁本塁打を記録したこともあるパンチ力を解き放った。久々に味わった1発の快感にも、今宮は「多分、忘れんといかんですね。毒まんじゅうなんで。明日どうなるか、楽しみにしていてください」。今シーズン続けてきた打撃を維持することを優先した。

2回に川瀬がスクイズ失敗するなど、攻めあぐねていた藤本監督は「今宮がようカバーしてくれました。見事なホームランやったね」と感謝。チームは7月2~5日以来の3連勝で、カード3連勝は6月17~19日の楽天戦以来だ。首位の西武が敗れたため、0.5ゲーム差に接近。12日にも首位に再浮上できるところまで迫ってきた。【山本大地】

○…中村晃が5試合ぶりの4号ソロで流れを引き戻した。逆転を許した直後の2回。1死から種市の直球を右翼スタンド中段に運び去り同点とした。「追い込まれてから、コンタクトすることだけを考えました。真っすぐを完璧に捉えることができました」。10メートルを超す強風をものともせず、豪快に同点弾を運んだ。8月は27打数10安打、打率3割7分と打撃好調。3回には押し出し四球も選び2打点の活躍だった。

○…中継ぎ陣の好投が勝利を呼び込んだ。先発レイが5回に同点とされると、2番手板東が1死二、三塁のピンチを封じた。7回に2四球で2死一、二塁としたが、3番手の左腕嘉弥真がマーティンを一飛。連投のモイネロをこの日はベンチから外し温存。8、9回は松本-藤井のリレーと試合前から予告していた藤本監督のシナリオ通り、2人が2イニングをピシャリ抑えきった。中継ぎ4投手が無安打無失点の好リレー。「(2番手の)板東がよかったよね。向こうの勢いを止めてくれた」と試合後の藤本監督もブルペン陣の奮投をたたえた。

▽ソフトバンク・レイ(先発も5回に同点とされ降板)「なかなか自分らしい投球ができず、リズムに乗り切れなかった。味方が得点を重ねてくれていたのに、期待に応えることができずに申し訳ない」

▽ソフトバンク板東(5回途中から2回1/3を無失点)「チームの勝ちにつながる投球ができたと思います。(7回)先頭打者に四球を与えてしまったところなど、反省するところはしっかりとして次につなげていきたいです」

▽ソフトバンク藤井(9回を3人で抑え2セーブ目)「(先頭の代打菅野の打球を好捕した)周東さんに助けられました。最近、四球で走者を出してしまうことが多かったので、先頭をアウトにしてくれて本当に助かりました。チームが勝てて良かったです」

▽ソフトバンク牧原大(初回の先制二塁打に)「簡単に追い込まれてしまいましたが、そこから何とかしようという気持ちで打つことができました」

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