阪神のメル・ロハス・ジュニア外野手(32)が7回に決勝の犠飛を放った。同点の7回、目の前で5番大山が申告敬遠され1死満塁。広島の左腕森浦の内角直球を右翼へ。三塁走者近本が勝ち越しの本塁を駆け抜けるのを確認するとロハスは手をたたきガッツポーズで喜んだ。

「森浦はいいチェンジアップを持っているので、コンパクトにいった方がいい」と、確実性を重視した。森浦には前回5月11日に代打で対戦し空振り三振。翌日に2軍降格しただけに「そのリベンジをと思った。それよりも勝利に導けてうれしい」と笑った。

もう1日早ければ父に活躍する姿を見せられた。父ロハスさんはメジャーのエクスポズ(現ナショナルズ)などで通算34勝を挙げた右腕。2週間ほど滞在し、この日帰国した。「来ている期間に本塁打を1本も打てなかったけど」と残念そうだったが、8月は21試合に出場し打率3割2分8厘、4本塁打、13打点と大活躍。大山ら多くの主力が新型コロナウイルスで離脱する中、穴を埋めた。2年契約の最終年も残り20試合。お立ち台で「カツデー!」と叫んだ。自身の残留アピールももちろんだが、何よりもチームの勝利に貢献する。【石橋隆雄】