激レア三塁打ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、今季初となる三塁打を放ち、チームをけん引した。4回無死、巨人井上から右中間を破る、2年ぶり通算3本目の三塁打をマーク。チームは今季最長の5時間28分を戦い抜き、2度目の引き分けとなったが、不動の4番が圧倒的な打撃だけでなく、積極的な走塁でも貢献した。

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シーズン50本塁打に王手をかけている村上が、足でも強烈な存在感を示した。2点を追う4回先頭。巨人先発の左腕・井上に対し、カウント2-1からの4球目、外角115キロカーブを引っ張ると、鋭い打球が右中間を破った。スピードを緩めず二塁を回り、一挙に三塁を陥れた。

3年連続で2ケタ盗塁をマークするなど、スピードのある村上だが、狭い神宮を本拠とするためか、三塁打は多くない。加えて圧倒的なパワーでスタンドインも増える。ゆえに「レア」な記録でチャンスメークすると、次打者オスナの二ゴロの間に悠々とチーム3点目のホームイン。高津監督も「1つでも先の塁に進もうという意欲は素晴らしい」と評価した。

打席では相手バッテリーに無言のプレッシャーをかけつづけた。2回先頭の第1打席では井上に対し、フルカウントからの7球目、外角低め126キロスライダーを選び、今季99個目の四球で出塁。直後のオスナの16号2ランで先制のホームを踏んだ。さらに7回2死一、三塁では、巨人平内から今季100個目の四球。10回先頭の第5打席でも四球を選び、両リーグ断トツの101個。昨季の106個に続く2年連続の「大台」到達は、紛れもない強打者の証明だ。

村上は8月23試合で75打数33安打の打率4割4分、12本塁打、25打点の圧倒的な数字を記録。不動の4番に導かれるように、不調だった山田をはじめ、サンタナやオスナら、前後を固める選手も復調。チームは8月初旬に今季ワーストの7連敗を喫したが、終わってみれば12勝11敗1分けで月間勝ち越しを決めた。

いよいよ勝負の9月。これまで通りバットでも足でも、チームをけん引していく。【鈴木正章】

▽ヤクルト・オスナ(2回に16号先制2ラン)「初対戦の投手ですがアジャストして完璧に捉えることが出来ました」

▽ヤクルト・サンタナ(4回に一時同点となる14号ソロ)「なかなか捉えきれなかったが、最後に甘い球を仕留めることが出来て良かった」

▽ヤクルト高津監督(今季2度目の引き分けに)「勝てなかったのではなく、負けなかったところは、みんなの頑張りだと思います。すごく評価しています」

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