「村神様」が「ゴジラ」に並んだ!! 0-0の3回1死一、三塁。村上は中日大野雄に対し、カウント2-1からの4球目、外角133キロカットボールを強振。打った瞬間それと分かる打球が、燕ファンの歓声にも乗って右翼席中段に弾んだ。今季50度目となるダイヤモンド1周を終えると、山田、オスナらとタッチを交わし、ベンチ前ではサンタナと「ロータッチ」。「先制のチャンスだったので、犠牲フライでもという気持ちで打席に入りました。良い角度であがってくれました。先制できて良かったです」と喜んだ。

同じ背番号「55」を背負った偉大な左打者の松井氏は、入団前から意識していた存在だった。ドラフト1位指名後の17年11月の仮契約の際には「(背番号)55と言えば松井秀喜さん。いずれは自分が55と言われるようにがんばりたい」と話していた。8月28日DeNA戦で49号ソロを放った際にも「すごく世界的にも活躍された方。同じ背番号でこうしてプレー出来るのはうれしいことです。(50号は)打ってから考えたいと思います」と話していたが、それから5日後、入団から5年で肩を並べた。

6月、7月と2カ月連続で月間MVPを獲得した村上は、8月も絶好調だった。23試合で75打数33安打の打率4割4分、12本塁打、25打点という圧倒的な成績でチームをけん引した。9月に入っても勢いは止まらず、最初の試合で大きな区切りに到達した。

次々と記録を塗り替えていく22歳。「目の前の試合を集中して取り組んで、最終的にどうなっているかを自分の中で楽しみにしたいと思います。今はとにかくチームが勝って、みんなで喜びを分かち合いたいという気持ちが強いので」と、達成感に浸ることなく、目の前の打席に集中していく。【鈴木正章】

▼ヤクルト村上が50号。シーズン50本塁打以上は13年バレンティン(ヤクルト=60本)以来10人目(15度目)。日本選手では02年松井(巨人=50本)以来6人目。22歳シーズンでの到達は、64年王(巨人)の24歳シーズンを更新する史上最年少となった。

▼チーム119試合目での50号到達は13年バレンティン(111試合目)02年カブレラ(西武=117試合目)に次ぐ史上3位のハイペース。外国人選手を除くと64年王、86年落合(ロッテ=ともに122試合目)を上回る最速になる。残りは24試合。現時点のペースは60本でバレンティンのプロ野球記録に届く。

▼村上は今季19度目の勝利打点(V打)。15年畠山が記録した球団のシーズン最多V打に並んだ。

◆大リーグの年少シーズン50本塁打 07年にプリンス・フィルダー(ブルワーズ)が史上最年少の23歳4カ月(139日)で到達。2位はウィリー・メイズ(ジャイアンツ)の24歳4カ月(137日)。のべ47人がシーズン50本塁打を記録し、最多はベーブ・ルース(ヤンキース)、サミー・ソーサ(カブス)、マーク・マグワイア(カージナルスなど)の3人が50号を4度マーク。歴代2位755本塁打のハンク・アーロン(ブレーブス)は50発シーズンが1度もない。

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