CSへの扉を再びこじ開けたのはキャプテンのバットだった。

1番スタメンで3試合目となる坂本勇人内野手(33)が、巨人打線をよみがえらせた。3回2死二塁、阪神藤浪の156キロ直球を捉え、右前適時打。「先制できて良かった」と塁上でガッツポーズを見せた。前回対戦の8月20日で敗れた右腕へ先制パンチを浴びせ、味方を奮い立たせた。

勝負の行方を左右する一打も自ら放つ。7回1死二塁、リードはわずか2点。初球から代走増田大に三盗させてまで取りたかった追加点の期待に応えた。ファウル4つで粘り、カウント1-2からアルカンタラの142キロ外角スライダーを中前適時打。この回、一挙4得点の口火を切り「厳しいコースに来ていたけれど、最後は食らいついて打つことができた」と、貴重な一打を振り返った。

6試合ぶりの勝利で連敗を3で止め、前夜に消滅したばかりのCS自力進出も復活した。3戦連続の延長で「11回」「12回」「12回」と計13時間12分の総力戦を戦ってきた主力野手も、6点リードを奪ったことで7回守備から下げることができた。投手陣も同様。守護神大勢、高梨、平内を温存。主将が意地を見せ、窮地を救った。【三須一紀】

▽巨人増田大(7回に三盗成功)「相手投手の映像を何百回も見て勉強していたおかげかな。監督も行けたら行っていいと言ってくれていたので思い切ってスタートできた」

▽巨人大城(5回無死三塁、阪神藤浪から左前に決勝適時打)「2ストライクと追い込まれていたので食らいつこう、バットに当てようと。これからは厳しいというか、接戦が多くなっていくと思うので勝ちきれるように頑張っていきます」

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