阪神のチーム最年長、糸井嘉男外野手(41)が進退について、近日中に球団と話し合いを持ち、自身の考えを伝えることが4日、分かった。

プロ19年目の今季は2年ぶりの開幕スタメンを勝ち取るなど、交流戦まではレギュラーとしてチームをけん引。8月9日に新型コロナウイルス陽性を受け、現在は2軍で調整を続けている。プロ19年目の超人が退団、現役引退を含め、大きな決断となる。

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チーム最年長の41歳糸井が、現役引退も含め、進退について球団と話し合いの場を持つことが分かった。球場にも秋風が吹き始めたこの時期。シーズンも終盤に入り、球団はすでに来季に向けた戦力見極めを始めている。現在2軍で調整する超人も、41歳という年齢も含めて自身のチーム内の立ち位置を熟慮。今後の身の振り方を含めて、球団と膝をつき合わせて話し合いを行うことになった。

糸井は当時の金本監督に請われ、16年オフにオリックスからフリーエージェント宣言して移籍。主力で奮闘を続けた。昨オフは減額制限(1億円超は40%)を超える54%減、1億円ダウンの年俸8500万円プラス出来高で契約を更改。覚悟を決めて臨んだタテジマ6年目は、キャンプから精力的に動き、オープン戦も貪欲に成績を残した。

「スタートから出ることを目標に自主トレからキャンプも取り組んできた」と2年ぶりに開幕スタメンを勝ち取ると、開幕戦の3月25日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)では3安打4打点。チーム1号となる2ランも放ち、09年金本、18年福留に次ぐ球団史上3人目の「40代開幕戦本塁打」を記録した。

4月は打率3割を超え、6月中旬の交流戦まではスタメン起用も多く、チームが歴史的低迷をする中で、チームを引っ張った。その後は調子を落とし、代打での出番も激減。8月9日には新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱した。その後は同月23日に実戦復帰し、2軍戦10試合で打率2割9分6厘をマーク。この日は2軍広島戦(鳴尾浜)に出場しなかったが、試合前練習に元気に参加した。

引退という道を選択するのか。それとも退団し、他球団でプレーするという道を選ぶのか。昨年からベンチを温めることが増えたが、近大の後輩佐藤輝ら若手にも慕われる。コロナ隔離中もツイッターなどのSNSで明るくチームを鼓舞し、チーム愛にあふれる。衰えを感じさせない肉体を誇る超人が、どのような答えを出すのか、注目される。

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◆糸井嘉男(いとい・よしお)1981年(昭56)7月31日生まれ、京都府出身。宮津から近大を経て03年ドラフト自由枠で投手として日本ハム入団。1軍登板のないまま外野手へ転向し4年目の07年にデビュー。13年開幕前に大型トレードでオリックス移籍。09年から6年連続の「打率3割、20盗塁、ゴールデングラブ賞」はプロ野球初。14年首位打者、16年盗塁王。11、12、14年最高出塁率。16年にFA宣言して阪神に移籍。今季は開幕戦に「6番左翼」でスタメン出場するなど通算61試合で打率2割2分2厘、3本塁打、22打点。後半戦は3試合に出場にとどまる。188センチ、99キロ。右投げ左打ち。