守り抜いた。1点リードの9回、阪神岩崎優投手(31)がマウンドに上がる。「セーブシチュエーションが久々だったので気合入りました」。虎党の祈りを一身に背負った守護神は、先頭西川を遊ゴロ、続く坂倉を143キロの直球で三飛に仕留める。最後は代打菊池涼を一邪飛に斬って試合を締めた。

お立ち台では一緒にお立ち台に立った梅野のセリフを拝借した。「勝敗に直結するところで投げているので、次の試合も勝つバイ!」。突然の博多弁に球場は笑いに包まれた。

セーブは8月5日の広島戦以来。26セーブ目は球団左腕では82年の山本和行に並び歴代トップタイとなった。道のりは平たんではなかった。8月に2戦連続でセーブ失敗し、セットアッパーに配置転換された。それでも任されたマウンドで黙々と腕を振り、6試合連続無失点。再び最後を締めるマウンドに返り咲いた。

「どこでも結果を出していけるのが、自分の持ち味というか、そういうポジションをやってきた。(9回を)任せてもらえることを、すごく意気に感じてやっていました」

矢野監督も岩崎の存在の大きさを改めて口にした。「コンディションが難しい部分もあると思うけど、スグルに頼るしかない。残り試合も頼りにしないとねダメなんでね」と守護神を信頼していた。【三宅ひとみ】

○…8回の男・湯浅も奮起した。2死から連打で2死一、三塁のピンチも、上本をフォークで空振り三振。ワンバウンドをそらさなかった梅野もガッツポーズ。湯浅は「梅野さんが止めてくれると信頼して、思い切って腕を振って投げられている。本当に感謝したいです。その前の回まで点が入り続けていたので、なんとかゼロで帰ることができて良かった」と会心の笑顔。5試合連続の39ホールド目を挙げた。

▼岩崎が今季26セーブ目を挙げて、球団左腕最多の82年山本和行に並んだ。プロ野球左腕最多は、中日岩瀬仁紀が05年に記録した46セーブ。なお、右腕も含めた球団最多は、藤川球児が07年に挙げた46セーブ。

【関連記事】阪神ニュース一覧