日本ハム清宮幸太郎内野手(23)が、逆転の決勝アーチを放った。1-1に追いついた直後の5回2死一、二塁でオリックス村西から右越え16号3ラン。新庄剛志監督(50)と約束した17本塁打まで、残り1本に迫った。オリックスとの今季最終戦でチームは負ければ最下位確定の中、来季の主軸筆頭候補が存在感を示した。

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ダイヤモンドを走り切る前に、たまらず笑みがこぼれた。1-1の5回2死一、二塁。清宮が逆転の決勝弾を放った。高めに浮いた142キロの直球系をコンパクトに振り抜いた。「本当に、何とかしたいという思いが強かったです」。打った瞬間、確信の右越え16号3ランで逆転に成功した。一振りで流れを変えられる、天性の力を見せつけた。

約束の17本目まで、あと「1」に迫った。7月9日ソフトバンク戦で11本塁打目を打った後、新庄監督から「17本、目指してシーズンやりなさい」とノルマを課せられた。ビッグボスが阪神での現役時代、首脳陣から「17本、打ってもらわないと」と言われた経験があった。「それがすごく頭に残っていて。気が付いたら28本打っていた。なかなかやるやんオレ、みたいな」。かつてビッグボスが追いかけた「17本」が目下の目標になった。

「打てるだけ打ちたいです」と清宮。ヒーローインタビューでは「まだまだ見ていられないような成績。もっと打ちます」と宣言した。プロ5年目、打席ごとにムラはあるが、何かやってくれそうな期待感は高まりつつある。新庄監督も「何かダメで、こっちが(スタメンから)外そうとしたら打ってくれるというね。なかなか難しい選手ですよ」と笑う。

清宮の1発で、負ければ最下位確定を回避。11連戦も、本拠地4連戦を残すのみとなった。オリックスとの今季最終戦。ルーキーイヤーにプロ初本塁打を放った球場には思い入れが強い。「今季、最後にいい活躍が出来て良かったです。来年また、もっともっとここで活躍できるように、もっともっとうまくなりたいと思います」。力を蓄えながら、来季につながるアーチを描き続ける。【田中彩友美】

○…谷内がヤクルト時代の16年4月10日DeNA戦(横浜)以来、2350日ぶりの本塁打を放った。8回先頭で左翼へ1号ソロ。「この感触、すっかり忘れてました。どれぐらいのスピードで走ったらいいかも分かんないし、何か恥ずかしい気持ちで走ってました」と照れ笑い。「毎打席、必死にやるだけ」と、堅守に加えて打撃でも良さが光る。新庄監督も「素晴らしいホームランでしたね」とたたえた。

○…高卒2年目の細川がプロ初打点を挙げた。「2番三塁」で2試合連続スタメン出場し、8回2死二塁でオリックス吉田凌のスライダーを捉えて右越え適時三塁打。「狙っていたボールだったので、一発で仕留められて良かったです」と笑顔。新庄監督も「細川くんも元気いいし、使いやすい選手ですね」と、アピールをしっかりと受け取っていた。

○…メネズがアクシデントで緊急降板しながらも来日初勝利を挙げた。3点リードの6回2死、宗への2球目を投げる瞬間に左膝に違和感を覚えてバランスを崩し、大きく暴投。そのまま降板となった。アイシング治療を施し、17日に病院で精密検査を受ける予定。新庄監督は「もともと膝が緩いみたい。そこまで深刻ではない感じ」と説明。6回途中1失点と安定した内容には「十分です」と、合格点を与えていた。

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