外国人野手の不振が、阪神に重くのしかかった。マルテ、ロハス、そして途中加入のロドリゲス。この3人を合わせた主要部門の合計成績は、74安打、12本塁打、47打点、そして打率2割2分3厘。助っ人野手のセ・リーグ球団別最低だ。

広島の外国人野手はマクブルーム1人で、118安打、16本塁打、68打点、2割7分8厘。傑出した成績ではないが、阪神の3人が束になっても及ばない。3冠王に突き進むヤクルト村上は149安打、55本塁打、132打点、打率3割3分3厘。阪神の助っ人部隊は、打率で1割1分以上離され、安打は半数以下、打点は約3分の1、本塁打に至っては4分の1以下だ。

不振や故障で、阪神の3助っ人の合計打席は376にとどまった。こちらもセ最少で、そもそも出番が少なかった。阪神の19日現在の規定打席は425で、3人がかりでも届かない。チーム最多中野の580打席が遠くにかすんでいる。

マルテは故障で長らく戦列を離れており、8月末になって1軍復帰。ロハスは8月に2軍落ちが決まっており、大山の新型コロナ感染でどうにか1軍に残った。ロドリゲスに至っては、不振で8月下旬に2軍落ち。この3人のうち先発出場最多はロハスの43試合で、年間を通して打線の核になった外国人はいなかった。

85年日本一のバースに始まり、03年アリアス、05年シーツと、阪神の優勝には名助っ人野手の存在があった。来季の覚醒を期して残留する選手がいるのか、あるいは総入れ替えか。若き大砲の大山、佐藤輝を支え、そしてけん引する外国人は現れるのか。来季の戦力編成で、最重要課題であることは間違いない。【記録室=高野勲】