オリックス吉田正選手会長はベンチで勝利を見届け、笑顔で飛び出した。打席でも守りでもほとんど表情を変えない“鉄仮面”が、崩れていった。

昨年は死球禍で右手首を骨折。ロッテと抜きつ抜かれつの最終盤、オリックスは主砲抜きで戦った。苦しいときには「正尚がいれば…」とナインからため息もれたが、今年は逆に「正尚がいるから大丈夫」と、大黒柱は不動だった。打率3割3分5厘、21本塁打、88打点。打撃3部門のタイトルには届かなかったが「チーム3冠」でけん引し、2年連続で最高出塁率に輝いた。「ちゃんと塁に出てチャンスメーク。そしてかえすのが僕のプレースタイルと思いますので、よかった」と充実のシーズンになった。

昨年の本拠地最終戦セレモニーで選手会長としてあいさつし「ここからCS、日本シリーズとしびれる試合が続きますが、有休が残っている方は使っていただき、ともに戦っていきましょう」とファンに呼びかけた。あれから1年。「今年も、その時期が来ました。僕たちは勝つこと、勝利を目指すだけ。1つでも良いプレー、良いスイングで、熱く応援してもらえれば。何かに熱中できることって才能ですし、幸せなことですから」とまた前進する。

祝勝会では音頭を取り「全員で勝つ!!」と巨大クラッカーを鳴らした。「目指してるのは1番だけですから」と日本一へ、号砲を鳴らした。【堀まどか】

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