外野へ飛んだ安打は1本だけだった。勝利した東洋大は、来秋ドラフト候補の細野晴希投手(3年=東亜学園)が9回4安打6四球10奪三振で今季初完封。好投に「今までは後半でグダグダすることが多かった。かわしつつ、粘りながらも0に抑えられたのは良かった」と振り返った。

バックスクリーンから本塁方向へ、強い追い風が吹く中での登板だった。投球動作の最中にふらつくことがありながらも、この日は最速150キロを計測。5回以降は毎回得点圏に走者を許したが、得意のスライダーで相手をかわした。「自分的にも大きかった」と、得意のけん制で走者を2度仕留める場面も。153球の熱投で、17イニング連続無失点を決めた。

打線の援護も大きかった。3番の石上泰輝内野手(3年=徳島商)が4打数4安打3打点。先制打からダメ押しまで、3本の適時打で全打点を稼いだ。石上泰は「ここまで打撃の調子はあまり良くなかった。逆方向へのイメージを持って、積極的にいこうと打席に立っていました」。練習から意識付けした考えが成果につながった。

首位専大が東農大戦に2連勝すると、今リーグの優勝が決定する。現在2位タイの東洋大は現状、自力Vがない。それでも細野は「とにかく負けられない。1点も取られないように投げるだけです」と、逆転優勝へ望みをつないだ。