俺がラッキーボーイだ! ソフトバンク今宮健太内野手(31)がV逸の悔しさをバネにクライマックスシリーズ(CS)突破を誓った。全体練習となった6日、「シリーズ男みたいなラッキーボーイになれるように頑張りたい」と気持ちを高めた。今季と同じくリーグ2位だった19年のCSファイナルステージ(S)では西武に4連勝。今宮は4戦目に3本塁打含む5安打と暴れて突破に貢献、ファイナルS打率5割2分6厘でMVPに輝いた。頼れる選手会長が再び上昇気流に乗せる。

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悔しさを力に変える。今宮の気持ちは早くも高ぶっていた。本拠地ペイペイドームでの全体練習。シート打撃など実戦メニューを消化し、報道陣に対応した選手会長は臆すことなく言った。

「1年間やってきた自信はしっかり持ってクライマックスに臨んでいきたいと思う。シリーズ男みたいなラッキーボーイになれるように頑張りたい。(自分を)ラッキーボーイに神様が指名してくれたらいいと思う」

3年前も同じ境遇だった。2位でCS進出。楽天とのファーストSを勝ち抜き、ファイナルSは1位西武と敵地・所沢で対戦。相手に1勝のアドバンテージがある中、4連勝と圧倒した。今宮は西武との初戦から全試合でヒットを飛ばし、中でも日本シリーズ進出を決めた第4戦ではCS史上初の1試合3本塁打を含めて、ポストシーズン初となる同5安打を放ち、6打点。ファイナルS通算打率5割2分6厘と驚異的な活躍を見せ、MVPを獲得した。文字通り「ラッキーボーイ」となった。

過去を振り返った単なる願望ではなく、しっかりとした自信もある。今季は打率3割に到達できなかったものの、5年ぶりに規定打席に到達。キャリアハイとなる打率2割9分6厘を残した。「1年間を通して(好不調の)波が少なくやってこられたかな、と思う。シーズンの数字は打ち切り。CSでしっかり自分の仕事ができるように頑張りたい」と力を込めた。

もちろん、選手会長としてフォア・ザ・チームの気持ちをナインとも共有するつもりだ。「一番はメンタルと思う。選手全員が1つになって。悔しい気持ちをぶつけるクライマックスということでいきたい。しっかりチーム一丸となってやっていきたい」。V逸となったシーズン最終戦は、涙に暮れた。短期決戦でリベンジを誓う男は、うれし涙で日本シリーズ進出を果たすつもりだ。【佐竹英治】

◆今宮のCS1試合3本塁打 19年レギュラーシーズン2位のソフトバンクは、CSファイナルステージで同1位の西武と対戦。ソフトバンクの3連勝で第4戦を迎えた。今宮は3回に先制ソロ。1点差に迫られた6回に突き放す2ランを放つと、9回にはとどめの2ラン。いずれも左翼へ豪快に運んだ。初回に中前打、7回の適時打とあわせて5安打6打点。ファイナルステージ4試合は19打数10安打、3本塁打、7打点で打率5割2分6厘の大暴れ。勢いに乗ったソフトバンクは日本シリーズでも巨人に4連勝し、日本一に輝いた。

○…貴重な中継ぎ左腕として大関も必勝態勢で準備を整えている。「CSだからとかではなく、自分の球をしっかり投げられるように集中してやりたい」。夏場の精巣がんの疑いによる手術から復帰して3試合に登板。2日のロッテとのシーズン最終戦では1回を3者三振に切って完全復調を印象づけた。「球の力は戻ってきている。(CSは)大事な戦いになる。さらに準備して1球に込められるようにしたい」と話した。

クライマックスシリーズ日程と組み合わせ