阪神はスペシャル継投もズバリだった。先発才木浩人(23)以降は、浜地真澄(24)、岩貞祐太(31)、西純矢(21)、湯浅京巳(23)がオールイニングまたぎの熱血快投。第1戦に続く救援0封リレーで、DeNAの反撃を封じ切った。

中でも光ったのは本職ではない西純だろう。1点リードの6回2死走者なし。前日2回を無失点に抑えた右腕が、プロ初の連投で岩貞のあとを託された。4番牧に左前打を許したが、宮崎をフォークで中飛斬り。7回を3人で抑えると、8回も2死を奪って湯浅につないだ。「しびれる試合で、いい場面で投げさせてもらって本当に良かった。とにかく打者1人1人に集中して投げようと」。初体験に興奮を隠せなかった。

救援の4投手全員がイニングをまたぐ異例の継投だった。3回に先発才木が2点目を失い1死一、三塁となると、2番手浜地が登板。4番牧を二塁併殺でピンチを脱した。5回からは3番手岩貞がバトンを受け、6回に桑原、佐野を打ち取ったところで4番手西純にスイッチ。西純はハマスタがザワつく中で7回の打席にも立ち、腕をうまくたたんで左翼線二塁打もマーク。ベンチは盛り上がった。

矢野燿大監督も3イニングをまたいだ背番号15を絶賛した。「延長も考えないとダメだし、そういうところで難しかったけど、純矢が本当、あそこを粘ってくれたのが大きかった」。3年目の今季は6勝を挙げたがすべて先発。シーズン終盤には中継ぎも1試合経験したが、不慣れな役割で大貢献した。西純は「慎重にというのは自分のピッチングじゃない。強気に攻めていくのが自分なんで」ときりり。若き右腕が、下克上のキーマンになる。【桝井聡】

○…才木はホロ苦いCS初登板初先発となった。2回に先頭の5番宮崎に外角高めに浮いた149キロ直球を右翼席まで運ばれ、先制点を献上。3回は1四球1安打に味方失策が絡んで1死二、三塁とされ、暴投で2点目を許した。2回1/3を2失点。「大事な試合で先発を任せてもらった中で先制点を与えてしまい、負けている展開でマウンドを降りることになり悔しい気持ちです」。ファイナルステージで悔しさをぶつける。

▽阪神浜地(3回1死一、三塁のピンチで才木を救援し、1回2/3を無安打無失点)「本当に試合が左右される場面だと思っていたので、最高の形になってよかったなと思います」

▽阪神岩貞(1回2/3を無安打無失点でCS初勝利)「ブルペン勝負になると思ってたので、緊迫した展開でマウンドに上がりたくてウズウズしていました。近本の守備にも助けてもらいましたし、攻撃も守備もチーム一丸で攻めることができました」

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