今季限りで退任する阪神矢野燿大監督(53)が、CSファイナルステージ敗退から一夜明けた15日、大阪市内の阪神電鉄本社で藤原崇起オーナー(70)にシーズン終了報告を行い、会見に臨んだ。

会見は約42分間。涙する場面もあった。

会見の冒頭、「シーズン終わってから寝れる時はありましたけど、昨日はさすがにあまり寝れずでしたけど、気持ち的にはすっきりしています」と話し始めた。

現在の心境について「ずっと言ってきましたけど、夢と理想を語りながらやってくる野球は貫けたっていう思いは持っています。強いチームは作れませんでしたけど、全員でいいチームは作れたかなと思っています」と語った。

こらえきれなくなったのは中盤。今後、野球とどうかかわっていくかを問われると、涙が流れた。

「僕の夢はまだ続くので。子どもたちを笑顔にしていくっていうのも僕の大きな夢ですし…」

そこまで言うと、約11秒の沈黙。声を詰まらせながら「しばらくはゆっくりしますけど、また挑戦していきたいなと思っています」と続けた。

さらにファンへの思いを語り始めると、また涙があふれ出た。

「ほんとに勝つ喜び、優勝の喜びはみなさんに届けられなかったですけど、タイガースの選手たちの魅力っていうのは伝わったところがあったのかなと思っています。コロナ禍という難しい時期でしたのでファンのみなさんもすごく難しかったと思いますし、その中でも日本一の応援をしていただけたっていうのは、ほんとにありがたかったです」と感謝。「僕も来年からタイガースファンとして、タイガースが良くなるようなというか、僕に何ができるか分かりませんけど、応援はしっかりしていきながら、自分もまた挑戦していくような人生を歩んでいきたいなと思っています。ほんとに4年間ありがとうございました」と締めた。

チームは前夜、ヤクルトに3連敗を喫し日本シリーズ進出の夢が絶たれた。矢野監督の後任には05年リーグ優勝を飾った岡田彰布氏(64)が内定している。

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