東農大北海道オホーツク(北海道学生)が星槎道都大(札幌学生)に延長の末2-1のサヨナラで勝利し、通算成績2勝1敗で2年連続4度目の神宮切符を手にした。

1-1で迎えた延長10回1死三塁で8番高橋凜捕手(3年=旭川実)の放った三ゴロが相手三塁手の失策を誘い、走者が生還。勝利の瞬間、ベンチから一斉に選手たちが飛び出し、歓喜の輪をつくった。

2回1死一、三塁の先制機では併殺打に倒れ、8回無死一塁では送りバントを失敗していた高橋は「自分がチャンスをつぶしていた。なんとか前に飛ばそうという気持ちだった」と安堵(あんど)の表情をみせた。

負けられない大一番、先発を託されたのはドラフト候補の右腕、伊藤茉央(まお)投手(4年=喜多方)だった。5回まで許したのはわずか1安打、10奪三振の快投。6回1死一塁から、2番池田に右中間を破る先制の適時二塁打を打たれたが、8回118球、4安打1失点13奪三振と最少失点で試合をつくった。「けっこう思い描いたボールは投げることができた。自分がいけるところまでいって、あとは林だとか他の投手もいるという気持ちで。1人1人、アウトを積み重ねようと思って投げた。80点くらい」と笑みをこぼした。

伊藤の好投に打線も奮起した。1点を追う8回2死一塁で、1番工藤ジョエル右翼手(2年=桐生第一)が右中間を破る起死回生の同点適時二塁打。真ん中付近の直球をはじき返し「捉えたなと思いました。絶対自分ら野手が取り返さないといけないと思っていた。茉央さんをはじめ、林さんとか(4年生)に引っ張ってもらってきたので、絶対恩返しがしたかった」。

9回からマウンドに上がった右腕の林虹太投手(4年=佐久長聖)は2回を投げ無失点。「茉央がつくった流れにうまく乗せてもらった。本当に後がなかったので、120%くらいで、どんどん腕を振って気持ちで押していこうと思った」と伊藤からのバトンを引き継いだ。

2年連続の神宮切符をつかんだ三垣勝巳監督(42)は「代表として、ちゃんとやってこなあかんなと強く思いますし、すごくいいチームと決定戦ができたことに感謝です」と口にした。

伊藤は「チーム目標でもある全国制覇。そこにトライできるラストチャンスでもあり、監督さんを日本一にできるチャンスでもあるので、監督さんへの恩返しの意味も込めて、絶対に成し遂げたい」と意気込む。6月の全日本大学選手権2回戦の上武大戦ではサヨナラ打を打たれ涙を流した。悔しさを晴らすべく大学最後の全国舞台に乗り込む。【山崎純一】

◆2年連続明治神宮大会出場を決めた東農大北海道・三垣勝巳監督(42) すごくいいチームと決定戦ができたことに感謝。代表として、ちゃんとやってこなあかんなと強く思います。