即戦力のオールドルーキーが、指揮官とのグータッチの夢をかなえる。巨人ドラフト5位の西濃運輸・船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ)投手(26)が2日、岐阜・大垣市内の西濃運輸本社で指名あいさつを受けた。高卒なら岡本和と同じ8年目の横手投げ右腕は「ここまで来るのに時間はかかったんですけど、幼少期のプロ野球選手という夢はかなった。だけど本当の意味ではここからがスタートだと思う」と引き締めた。

高校2年時に転向したサイドから投げっぷりの良い最速151キロの直球を武器にする。「すごい豪快な投げ方で、自分はそこにひかれました」と元ヤクルトで元韓国代表の林昌勇に憧れる。小学4年時には原監督と野球教室で対面したことも。「みんなで写真を撮ったりしてその時に初対面しました。原監督は覚えてるかわからないですけど、自分は覚えてます。早くグータッチできるように頑張ります」と思い描いた。

仲間が突きつけられた現実からプロの厳しさを知った。10月25日に戦力外通告を受けた八百板は、聖光学院(福島)時代の同学年のチームメート。20日のドラフト直後に連絡を取ったが、その5日後に戦力外通告が発表された。一緒に同じチームで野球をすることはかなわなかった。「一緒に野球ができるなと思ってた。ネットで情報を見て、(八百板)卓丸に最初は気まずくて連絡できなかったんですけど、1週間後ぐらいに連絡をして、『一緒に野球をしたかったな』って。ショックと同時にプロの世界の厳しさを感じさせられました」とより一層気合があふれた。

水野スカウト部長も「現場から『サイドがほしい』ということで、いの一番に船迫選手を挙げさせてもらいました」と評価した変則右腕。「少しでも即戦力でチームで投げて、チームのためにしっかり貢献できることを意識していきます」と気合を入れた。【小早川宗一郎】