ロッテの春季2次キャンプ地が有力な沖縄・糸満市の西崎球場が、試合開催可能な仕様にグレードアップすることが2日、分かった。

今季は30年ぶりにプロ野球キャンプを実施したが、特大ファウルなどによる球場外の危険性が残っていたため試合は不可。練習試合は他球団の球場で実施し、同球場では居残り組が練習するのみだった。だが、同市はプロ野球に限らず、硬式野球の試合開催に向け、交通量の多い国道が走る一塁側内野席から右翼席後方に約20メートルの防球ネットをかさ上げして設置予定。バックスクリーンや左翼側も約14メートルの高さに。ポール設置はすでに済んでおり、12月中にも完成する。

市観光・スポーツ振興課の新垣行則課長(57)は「ロッテ球団の方にも相談しながら工事を進めています。公園内の一部に試合中は立ち入り禁止エリアをつくるなどして安全対策をすれば試合ができそうです」。今後は、学生や社会人の試合などを実施して検証しながら、来年2月のキャンプまでに万全な態勢を整えるつもりだ。また、西崎球場がある運動公園内には屋内練習場新設を予定。すでに設計図が完成し、来年3月ごろにも着工となりそうだ。

宿舎も前回は那覇市内のホテルを使用したが「今回は糸満市内のホテルやバスなど市内の事業者をご案内させていただいています」。コロナ禍の影響で球団から市内小学生に子ども用キャップを寄贈されたのみの交流も「野球教室、学校や施設訪問なども検討していただいています」と期待を寄せている。

同市が官民一体となってスポーツキャンプ誘致に協力する「スポーツキャンプ等受け入れ協力会」の会員数も増加中だ。9月には糸満市からZOZOマリンへの応援ツアーを実施。10月にはロッテファン向けに糸満市PR活動も行った。「キャンプもたくさんの方に見に来ていただければ地域活性化や経済効果につながります」。防球ネットだけでなく、糸満市民のロッテ応援への機運も高くなってきている。【鎌田直秀】

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