楽天の2年目右腕・内星龍投手(20)が、“カズヒサスライダー”で1軍デビューを目指す。履正社(大阪)から20年ドラフト6位で入団。1軍出場はまだない。今秋に最速152キロに更新し、成長を見せているが、目指すところはまだ先。「ほとんどフォークと真っすぐだけ。今スライダーに取り組んでいる」と前を向いた。

秋季キャンプでは、石井GM兼監督に直接スライダーを伝授してもらった。日米通算182勝を挙げた名左腕から、握りや腕の振り方、体の使い方をすべて学んだ。「考え方が180度変わりました。自分のイメージではスライダー(の軌道)は真っすぐに似せようとしていたんですけど、監督の中では円を描くイメージ」と明かした。これまでは横滑りのスライダー。「教えてもらった後、石井監督の(現役時代の)スライダーを見た。監督のスライダーは縦。『もっと縦でいけ』と言われたので、そこをもっと意識したいと思います」と意気込んだ。秋のキャンプでは、投球練習の半分を新球習得にあてている。

高1秋に投手へ転向。オリックス山本由伸投手そっくりのフォームにすると、飛躍を遂げた。通う整骨院が同じだった関係で、山本と対面。連絡も取り合い、アドバイスなどを受けている。「由伸さんと自分の体は違う。アレンジしたり、自分の感覚に合ったものをいろんな感じで重ねています」と力を込めた。“ヨシノブ”のフォームから繰り出す“カズヒサ”のスライダーで、唯一無二の存在へと駆け上がる。【湯本勝大】

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