監督、期待してください! 阪神ドラフト1位の中大・森下翔太外野手(22)が7日、多摩市内のホテルで仮契約を結んだ。球団からは宮脇編成ディレクター、吉野スカウトが出席。契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円(金額は推定)で合意した。指名あいさつでは岡田彰布監督(64)から20発指令を受けていたが、ブレずに25発&新人王を宣言。中大の先輩で侍ジャパンのDeNA牧秀悟内野手(24)が1年目に記録した22発超えも誓った。

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1度決めたらブレない男だ。約1時間の仮契約交渉を終えた森下は、力強く言い切った。

「岡田監督から20本にしとけって話だったんですけど、あくまでも自分の目標は『25』。そこを目指してやっていきたい」

ドラフト直後の指名あいさつで、岡田監督からは「甲子園で25本はしんどいかも。20本くらいにしといたら?」と下方修正を受けていた。約2週間後、それをきっぱりと否定。「3割に乗せて25本。新人王を狙って、そこだけを目指して1年間やりたい」。指揮官の想像を超えてみせる-。具体的な数字に、そんな覚悟がにじみ出た。

25発の目標は同時に、リスペクトする先輩超えにもつながる。同じ右打ちで中大の2学年先輩であるDeNA牧は、1年目に22本塁打。その数字を「超えたいと思います」と宣言した。牧は5日、侍ジャパン強化試合でソロアーチ。「自分の印象では、勝負強さが牧さんのすごみ」。ここぞで結果を残す姿を「見習いたい」とリスペクトしてやまない。タテジマで“牧2世”として、強力なポイントゲッターを目指す。

大学時代の牧を視察したこともある吉野担当スカウトは、当時と比較し「長打力は森下くんの方がある」と評価する。岡田監督はすでに来春1軍キャンプへの抜てきを明言済み。現状、外野両翼はレギュラーが決まっていない。サバイバルを勝ち抜くため「置きティー」で振り込み、確実性に磨きをかける日々だ。

「新人合同(自主トレ)から100%を出せるように準備しているので、そこは抜かりなくやっています」。12月に新入団会見を終えると、いよいよ年明けに入寮、新人合同自主トレとプロ生活が始まる。「関西弁でひと言」という報道陣のムチャぶりにも「せやな~、ホンマ頑張るんでお願いします!」と抜群のノリで応じた22歳。周囲の想像をことごとく超えてみせる。【中野椋】

◆森下翔太(もりした・しょうた)2000年(平12)8月14日生まれ、横浜市出身。横浜市日限山小1年時から野庭日限フェニックスで野球を始め、日限山中進学後、戸塚リトルシニアでプレー。東海大相模では阪神遠藤成の1年先輩で、1年夏からベンチ入り。3年春センバツ4強。高校通算57本塁打。中大では1年春から出場し、ベストナイン。大学日本代表にも選ばれた。4年春に2度目のベストナインを獲得し、2度目の日本代表入り。大学通算9本塁打。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。

○…森下の25発宣言をキャンプ地の高知・安芸で聞いた岡田監督は「20でええのに」と苦笑い。1年目に22本塁打を記録した同じ中大出身の牧については、横浜を本拠地とする利があるとしたものの「(1年目に起用され)それだけ打ったわけやから、たいしたもん」とたたえた。ただ、大学通算9本塁打の森下に対し、牧が同5本塁打だったことを聞くと「そうか、牧が5やから、比較したら、なあ」と25発への期待も忘れなかった。

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