広島からドラフト5位で指名された大阪ガス・河野佳投手(21=広陵)が8日、兵庫・西宮市内にある大阪ガスのグラウンドで、指名あいさつを受け、入団に前向きな姿勢を見せた。

約30分間の会談を終え、河野は「即戦力として、大いに期待していると(言っていただいた)。その期待に応えられるよう、開幕1軍を目指して頑張りたい」と引き締めた表情で語った。

日本選手権で敗退した10月31日には、「心残りがある。上位指名が目標だった。プロへの思いは強いが、今後会社としっかり話したい」とプロ入りへの悩める心境を明かし、入団拒否の可能性が浮上していた。それでもスッキリした表情で「いろんな報道が出たが、自分の中ではプロに行って活躍したいということに迷いはなかった。広島カープに入って、ファンの皆さま応援されるように頑張るので、応援よろしくお願いします」と力強く語った。

最速151キロの直球とカーブ、スライダー、カットボール、フォークを操る右腕。小学5年生から広島で暮らし、マツダスタジアムに観戦も行っていたという右腕。なじみの深い「赤ヘル軍団」入りに「小さい頃から見ていた球団。すごくうれしく思います」と改めて喜びを語った。

担当の鞘師スカウトは「(開幕1軍も)十分可能。競争の枠に入っていくだけの実力は十分ある」と太鼓判を押し「イメージしやすいのは最初は中継ぎ。試合の最初の入りがうまかったり、球種を見てもそういう感じだと思う」と評価した。

河野も「社会人では先発をやることが多かったので、試合を作るのが得意。プロでは任せられたところ、中継ぎでも抑えでも、しっかり抑えられるように頑張りたい」と意気込みを語っていた。

○…広陵の先輩野村がドラフト5位河野の全面サポートを約束した。10月31日の日本選手権敗退後、入団拒否かとも騒がれたコメントには「負けた直後で悔しさもあったんだと思う」と理解を示し、この日の指名あいさつで入団意思を明らかにした後輩を歓迎した。「広陵出身の選手が増えるのはうれしい。入ってしまえば順位は関係ない。僕にできることがあれば」。チームメートとなる後輩との共闘を心待ちにする。