西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使した森友哉捕手(27)のオリックス移籍が決定的であることが15日までに、関係者への取材で分かった。

すでに入団交渉を行ったオリックスは球団史上最大規模のオファーを出していた。ベースとなる年俸だけでも、4年総額16億円以上。中島裕之(現巨人)の年俸3億5000万円、増井浩俊の同3億円(ともに推定)など過去の大型契約を上回る評価で、誠意を示していた。またポスティングシステムでのメジャー移籍を希望している吉田正の去就が流動的。19年に首位打者、リーグMVPにも輝いた捕手の補強は、どうしても実現させたかった。

森は高卒1年目から高いポテンシャルを評価し、育ててくれた西武には恩義を抱く。4年以上の大型契約を提示され、宣言残留も認められ、全力の慰留を受けていた。人生の岐路として悩み続けていた。権利の行使を表明した1日には「ライオンズには本当に感謝しています。球団の方と話をさせていただく中で、自分のことを必要としてくれているという思いを強く感じました」と語っていた。

しかし、球界屈指の打てる捕手は「興味を持ってくれる球団があれば、その話も聞いてみたい」と思うのも事実だった。そして交渉解禁後、オリックスからオファーが届いた。もともと地元でプレーしたいとの思いもあった。野球人としてレベルアップの思いも強く、新天地での挑戦を選んだもようだ。

○…オリックスはV3への戦力補強第1弾に成功した。西武からFA権を行使した森の獲得は決定的。FA権を行使した伏見は日本ハム移籍が決まったが、日本ハムからFA権を行使した近藤の獲得にも動いている。今オフの補強状況を考慮しながら、球団はメジャー挑戦願望を明かした主砲吉田正のポスティングシステム利用の可否を検討していく。

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