巨人が来季の新外国人として米大リーグ・ブルージェイズからFAとなったフォスター・グリフィン投手(27)を獲得調査していることが16日、判明した。

グリフィンはメジャー通算1勝ながら、身長190センチの大型左腕で最速155キロ。カットボールが特徴的でカーブ、チェンジアップを併せ持つ。今季はメジャー、マイナーともに中継ぎ登板だったが、21年までは先発を担った。先発ローテあるいは、勝利の方程式の一角を担う助っ人左腕として白羽の矢を立てた。

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巨人が投手陣の立て直しへ動いた。来季の新外国人候補として大型左腕の獲得調査に乗り出した。この日までにブルージェイズのメジャー40人枠から外れ、FAとなったグリフィンをリスト上位に入れた。190センチの長身から投げ下ろす直球は角度があり、鋭く曲がるカットボールを宝刀として扱う。大きく縦に割れるカーブ、チェンジアップも器用に投げ分ける。

3年ぶりにV奪回を大命題に掲げる来季の補強ポイントに合致する。Bクラスに沈んだ今オフ、原監督は「強いチームをつくる」と宣言し、勝利至上主義を再確認した。今季のチーム防御率3・69はリーグワースト。延べ救援数は、リーグ最多の492で投手陣のやりくりに苦しんだ。

要因として助っ人の誤算が挙がる。先発ローテ候補だったアンドリースは5試合の登板にとどまり未勝利(2敗)。シューメーカーも18試合で4勝(8敗)と精彩を欠いた。中継ぎも昨季はクローザーを務めたビエイラは不振で2軍調整中だった8月に左脛骨(けいこつ)骨折でシーズン中の復帰が絶望となった。セットアッパーのデラロサも不振と負傷が重くのしかかった。

来季の先発陣は菅野、戸郷の2枚看板が筆頭。赤星、山崎伊、リハビリ中の高橋が続き、井上、堀田、直江、山田らの若手の台頭が必須になる。ブルペン陣は守護神大勢を軸に高梨、今村、鍵谷らのフル稼働に加え、腰痛による離脱で今季は1軍登板なしに終わった中川の復活を期待したいところだ。

グリフィンはチーム事情によって起用法は先発、中継ぎの両にらみとなる。今季は中継ぎ登板のみだが、昨年までは大半が先発登板だった。経験値から流動的な起用法にも問題はなさそうだ。若い芽を育てつつ、勝ちきる。復権へのピースをそろえていく。

◆フォスター・グリフィン 1995年7月27日、米フロリダ州生まれ。ファーストアカデミー高から14年ドラフト1巡目(全体28位)でロイヤルズ入団。20年の誕生日にメジャー昇格し初登板初勝利。左肘を痛め内側側副靭帯(じんたい)の再建手術。22年7月にトレードでブルージェイズ移籍。今季は6試合に登板し0勝0敗、防御率8・53。マイナー通算194試合で49勝50敗、防御率4・54。190センチ、102キロ。左投げ右打ち。

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