次世代の主力選手育成などを目的とした大会が静岡市内で開幕し、中京大の渡辺優心投手(2年=常葉大菊川高出)と川瀬譲二内野手(1年=藤枝明誠高出)が活躍。お互いに高校以来となった草薙球場での“凱旋(がいせん)試合”で成長を示した。19日は、県内3球場で9試合が行われる。

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中京大の渡辺が、地元静岡で好投した。第1試合の日大国際関係戦に先発。4回まで無安打投球を披露するなど丁寧に低めを突き、7回を5安打2失点にまとめた。「調子は良くなかったけど、粘って投げることができた」。試合後は、充実した表情で汗を拭った。

高校3年時の2020年夏。準々決勝の聖隷クリストファー戦で完投も、1-2で敗れて部活動引退を迎えた。同試合以来となった草薙球場のマウンドで、6-2の勝利に貢献。「最後に悔しい思いをした場所で勝つことができた。合格点です」と笑顔を見せた。

今秋、母校の常葉大菊川が東海大会で準優勝。来春のセンバツ出場を有力とした。さらに、安西叶翔投手(同校3年)と奈良間大己内野手(立正大4年)が、日本ハムからドラフト指名を受けた。渡辺は「自分も頑張らないとという気持ちになる」と先輩、後輩から大きな刺激を受けた。

今大会は、20日の最終日まで残り2試合を予定。来春以降の公式戦メンバー入りを目指す左腕は「この舞台をバネにして、メンバーに入れるようにアピールを続けていきたい」と、力を込めた。【前田和哉】

<川瀬2点適時打>

○…中京大・川瀬が快音を響かせた。日大国際関係戦に「4番・一塁」で先発すると、5回無死二、三塁。高めの直球を捉え、左前に2点適時打を放った。「6番・指名打者」で出場した第2試合の慶大戦でも、7回に左翼線二塁打をマーク。藤枝明誠高時代に3年間を過ごした“第2の故郷”で一定の結果を残し「良い形でファーストストライクから振れるようになってきた」と話した。それでも、満足感はない。今年4月の大学進学後に体重が6キロ増加するなど、右の主砲候補はまだまだ発展途上。「もっと打率を残せるようにしたい」と次戦を見据えた。