来季の開幕投手に内定している日本ハム加藤貴之投手(30)に“朗報”が舞い込んだ。パ・リーグは21日、来季の日程を発表し、日本ハムは来年3月30日に新球場「エスコンフィールド北海道」で先行幕開けする開幕戦で楽天を迎えることになった。加藤貴にとっては、今季最も相性が良かった対戦相手に決定。球団の新たな歴史の1ページ目は、左のエースが“お得意さま”からの勝利で飾る。

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加藤貴が9月下旬に新庄監督から新球場の開幕投手を通達されてから約2カ月。ついに、開幕戦の相手が楽天と発表された。今季は6試合に先発して4勝1敗、防御率1・38。対戦球団別で最もいい成績を残した相手に決まった。

今季の「加藤貴対楽天」で印象的だったのは、4月19日の対戦だ。テンポよく楽天打線を打たせて取り、9回を90球で投げ切って今季初完封勝利を挙げた。100球未満での完封をメジャーでは「マダックス」と呼ぶことから、新庄監督が「カドックス」と命名。そんな一世一代の好投を披露したのも、新球場と同様に天然芝のグラウンドである楽天生命パークだった。

プロ入り後の通算成績でも、楽天には10勝4敗、防御率2・67とロッテ(12勝、防御率2・22)に次いで得意としているカードだ。いつもポーカーフェースを貫き、冷静沈着で大胆な投球が魅力の加藤貴だが、開幕投手を務めるのは初めて。さらに、エスコンフィールド北海道の幕開けとなる試合で、普段とは違うプレッシャーもある中で、好相性の相手に投げられるのはプラス材料と言えそうだ。

新庄監督が9月28日の札幌ドーム最終戦セレモニーで、ファンへ向けて「来年の大事な開幕戦は、左のエース、加藤投手に任せたいと思います」と、12球団最速で公表した2日後の同30日に「本当大事だと思うので、しっかりと練習したい」と話していた左のエース。好イメージを持ちながら今オフを過ごし、大注目の真っさらなマウンドで最高のパフォーマンスを見せる。【木下大輔】

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