大商大(関西5連盟第1代表)が競り負け、ベスト4で敗退した。

来年のドラフト候補、上田大河投手(3年)が4回、2失策がからむ不運な3失点。右腕は不慣れな神宮球場の硬いマウンドに苦慮。フォームのバランスを崩しながらも、強気の内角攻めや鋭い変化球を駆使して6回を3安打、自責1で踏ん張った。

「やってはいけない先制点を与えてしまった。下級生から経験を積ませてもらっているのに、まだまだダメです。今年、絶対に日本一を取りたかった。4回生(4年生)はこれが最後。勝ち切らないといけない試合だった。ふがいないです」と涙をこぼした。

意地も見せた。5回まで無安打に封じられていた国学院大の巨人ドラフト3位の田中千晴投手(4年)から、6回に河西威飛内野手(2年)の2点右前打で1点差とした。だが、反撃はここまで。8回に再び3点を失い、勝負がついた。上田と同じくドラフト候補に挙がる2番手の高(たか)太一投手(3年)がつかまった。

1年時から出場を重ね、主将として奮闘してきた碓井雅也捕手(4年)は悔し涙が止まらなかった。「今までは『悔しさを糧にして次に』と言っていたが、これが最後なので…。商大に入った時に富山監督を日本一にすると約束したのに、果たせなくて悔しいです」と、すすり上げた。

隣で碓井の言葉を聞いていた富山陽一監督も「明日も試合をやりたかったです」と目をうるませた。

投手陣では上田、高らが残り、野手も河西や渡部聖弥外野手(2年)らが来年も主力になる。毎年、安定した成績を残している大商大だが、全日本大学選手権、神宮大会とも準優勝が最高。

届きそうで届かない頂点へ、足りないものは何か。富山監督は「絶対にやってはいけないことを徹底したい。チームの鉄則として。そうすることによって、1つでも上に上がれるのではないかと思う」と口にした。

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