巨人原辰徳監督(64)が、サッカーW杯カタール大会で激闘を繰り広げた日本代表の森保一監督(54)に世界王者の夢を広げた。

16日、帰国した森保監督と食事をしたことを明かし「よくやってくれましたと。W杯で日本が世界一になる、世界を取れると本当に感じた」と指揮官を大絶賛した。この日は那覇入りし、「ファンケルキッズベースボール2022」で同市立城北中学校での特別授業にゲスト出演した。

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搭乗時刻が迫る羽田空港のゲート前で原監督が、燃えたぎるエネルギーを露呈した。7日に帰国したサッカー日本代表の話題に触れ「本当に良かった。何日か前に(森保監督と)食事した。勝てなかったという、どこかに自責の念があるんだけど、我々は『よくやってくれました』と。W杯で日本が世界一になる、世界を取れると本当に感じた。もしかしたら次のW杯で世界を取れるぜ、と思いました」。興奮冷めやらぬ雰囲気のまま、森保監督をたたえた。

テレビ画面にかじりつき、戦いを見守った。「未来予想図を試合の中で全部やりきった」と強豪のドイツ、スペインを倒したグループリーグを思い起こした。ともに逆転勝ちでの金星に「ドイツは最初1点取られて、もしかしたら5-0くらいで負けちゃうんじゃないかなとね。それが攻撃的にパーンとパーツを変えてね」と采配にも言及した。

大会前にキーマンに挙げていた三笘の“1ミリ”は勝負の哲学に通ずる。スペイン戦の逆転弾につなげたプレーに「ギリギリの勝負というのは無傷で勝てる勝負はない。肉を切らせて骨を断つくらいのことがないとね」と大きくうなずいた。一方で勝負の世界は残酷な記憶を刻むこともある。「バッジョという選手がいたじゃない。最後、彼が外して負けた。PKというのは成功した人のことは忘れる。でも、失敗した人のことは忘れない。厳しいよな」とイタリアの英雄と今大会の敗戦を重ねた。

日の丸を背負った指揮官同士だから分かり合える部分は大いにある。「やり抜いたというね。(森保監督は)それができましたと。あと、スポーツの力という話もね。思っていないパワーが出たり、選手というのは相当、張り詰めながら、緊張感を持ちながら、火事場の力みたいなのが出るというのをあらためて感じましたと」と互いの思いを語り合った。

野球、サッカーの2大スポーツを代表する名将がスポーツ界をまだまだ盛り上げていく。【為田聡史】

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◆原監督と森保監督対談 W杯の日刊スポーツ企画として、かねて親交のあった2人は7月6日に東京ドームで対談を行った。ヤクルト戦前のグラウンドに招き入れ、約30分間打撃練習も見学。09年WBCで世界一を達成した原監督は、控え選手も重視した選手選考や、団結する重要性を説き、不振だったイチローが決勝戦で決勝打を放ったシーンも述懐。「強い責任感とチーム愛。彼を外すことは頭の片隅にもなかった」と言うと、森保監督は「吉田麻也はイチロー選手と同じような存在」などと語り合った。

原監督の著書「原点」は「うまい選手より、強い選手を必要としている」に感銘を受けたバイブル書。本にサインを書いた原監督は「積み上げた4年間の集大成。大いに自分自身に自信を持って戦うことが願い」とエールを送り、森保監督は「終わった時に、結果がどうであれ、後悔しないプロセスを踏みます」と誓っていた。