イブ返上で正捕手の座をつかむ。日本ハム古川裕大捕手(24)が24日、2軍施設の鎌ケ谷で自主トレを行った。1軍デビューを果たした今季は36試合に出場。24試合でマスクをかぶり、8月27日ソフトバンク戦ではポンセ投手(28)を好リードし、ノーヒットノーランに尽力した。今オフは優勝したオリックスから伏見寅威捕手が(32)加入するなど競争が激化。勝負の3年目に向け、クリスマス気分も“ノーノー”で、自身を磨き上げる。

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古川裕は1人、黙々と走った。鎌ケ谷のグランド周り。坂道の箇所では何度もダッシュをしてウオーミングアップ。室内練習場に入ると、今度はひたすらティー打撃を繰り返し、汗を流した。昨オフはクリスマス前に故郷福岡に帰省したが、今季は違う。「来年が勝負だと思っている。やらないといけない」。29日まで鎌ケ谷で自身をいじめ抜き、実家に帰る。

熾烈(しれつ)な競争を勝ち抜くには、休んでいる暇はない。今オフ、捕手は伏見に加え、元中日A・マルティネス(26)の加入も発表された。昨季、最も試合に出場した宇佐見は、ももいろクローバーZ高城れに(29)と結婚し、順風満帆。「ライバルも入りますし。自分の持ち味を出していかないと。正捕手争いに来年、勝っていけるように。100試合出られるように」と目標を掲げた。

今オフ、寮を出た。大学時代も寮生活だったため、14日から人生初の1人暮らしを経験している。「最初はちょっと落ち着かなかったですけど、1人の時間もできていい。今晩も1人。何も予定ないです。家で何か食べて翌日に備えるだけ」。街中に流れる楽しげな雰囲気をシャットアウトし、野球漬けの生活を貫く。

22日には群馬の母校・上武大に出向き、体を動かした。「久々に行って気が引き締まった。大学での4年間があったので今がある」。強烈な赤城おろしの中で、培った忍耐力。立て続く捕手補強の“向かい風”を、強靱(きょうじん)なメンタルと練習量で、はね返していく。【永野高輔】

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