西武の育成ドラフト2位、日隈モンテル外野手(22=四国IL・徳島)はモデルのように歩きながら、内心はドキドキしていた。

若獅子寮前で待ち構える多くのカメラなんて、もう、目に入らない。

「まさか、ここで突然すれ違うのか、と。まさか中村さんが」

絶好のタイミングで、中村剛也内野手(39)が帰路につくところだった。日隈は立ち止まりあいさつ。「よろしくお願いします、と。向こうからいらして、すぐに中村さんと分かりました。オーラが全然違います」。あらためて気持ちを落ち着かせて、入寮した。

しかしながら、ハートは強じんだ。「憧れは目立つような選手。新庄さんとか」と、自分から進んでハードルを上げていく。ダブルのスーツ姿が絵になる。シャツのそでには「Montell」と筆記体で刺しゅうがされていた。それもそのはず。

「一応、モデルとかもやらせてもらったんで。このスーツは、高校の同級生から『プロ入ったら作ってやるよ』って言われて、本当になったから『じゃあ作るよ』って言われて」

独立リーグに入る前に、フリーのモデルを務めていたという。「元Jリーガーの方のアパレルのモデルだったり、化粧品のモデルとかをしてました」。グレーのスーツに合わせたのは、青字にピンク模様、遠目では紫色に見えるおしゃれなネクタイだ。

身体能力と俊足を生かした潜在能力は高く評価されている。活躍すれば、多くのカメラを向けられるだろう。写真を撮られるコツを聞いてみた。

「コツはもう、なりきるしかないですね。カメラを向けられたら。とりあえず恥を捨てて、なりきるしかないですね」

では、ぜひモデル風に1枚。そう頼んでみると、実にさりげなく、ポーズを取ってみせた。【金子真仁】

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