DeNA育成ドラフト1位の四国IL・愛媛・上甲凌大捕手(21)が、母あすかさん(51)への恩返しを誓った。7日、横須賀市の青星寮に入寮。キャッチャーミットを大事そうに抱えていた。「高校生最後に母に買ってもらったグローブで、今でもきれいにずっと取ってあるんですけど。試合とかではなかなか使えないんですけど、苦労して母が最後買ってくれたグローブなので、これが一番強い思い出があるので持ってきました」と話した。

親孝行への、強い思いを持ってプロ入りした。「やっぱりこれを見ると頑張らないとなと、一番に思い浮かぶので。母を楽にさせてあげたいというのが今の自分の一番の思い。それをやれるようにやっていきたい」。宇和島東高時代、始発で練習に向かい、終電で帰宅する生活が続いた。「僕自身もまともに寝られない日々を過ごしましたが、僕以上に寝られていなかったと思う。朝、自分を起こす前に弁当をつくってくれていて、本当に何時間寝られていたのかと思っていた」。忘れられない思い出だ。

高校1年の時、両親が離婚した。「女手一つで支えてもらいました」。苦労を目の前で見てきただけに、ミットの価値も一層身に染みる。この日の朝、横須賀への旅立ち前に母へプレゼントを贈った。自分と同じ健康用のネックレス。「肩凝りがあるらしいので、少しでも改善されればと渡しました」。プロでの第1歩を踏み出す時、1つ目の恩返しをした。

今日8日から新人合同自主トレが始まる。寮や室内練習場を確認すると、力がわいてきた。「本当に環境としては素晴らしいものが整っているので、ここで結果を出せなければ、自分がやってないということだと思うので、自分にプレッシャーをずっと与えながらしっかりやっていきたい」。ミットを見つめて母から力をもらいながら、新たな挑戦を始める。【斎藤直樹】

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