ソフトバンクの新人合同自主トレが8日、福岡・筑後市のファーム施設でスタートした。視察した小久保裕紀2軍監督(51)は、参加した支配下、育成を合わせて19人のルーキーに「あいさつのススメ」を説いた。今季から4軍制が発足するソフトバンクは、所属選手数が120人を超える。1軍への第1歩として、名前を売ることの重要性を力説した。

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名前と背番号の入ったゼッケンを着けて、背筋を伸ばしたルーキーたちに小久保2軍監督が熱弁した。「まずは名前を覚えてもらえるように」。4軍制をスタートさせたソフトバンクは、昨秋ドラフトでも史上最多タイ14人の育成選手を指名。育成で外国人選手も獲得した。チームで120人超、育成選手だけでも50人を超える大所帯に埋もれてしまわないよう、まずは首脳陣に顔と名前を一致させてもらうことが第1歩だ。

小久保2軍監督は「122も3もおったら、名前を覚えてもらうのも1つの仕事でしょう。この世界におったら。今はゼッケンに名前が入ってますけど、それがなかったら誰かわからない。会う人会う人、常に名乗るくらいでちょうどいい」。遠くに飛ばす、速い球を投げるといった野球選手としての能力はもちろん大切だが、その前にあいさつが重要だと説いた。

選手数が増えれば増えるほど、1軍の前に2軍昇格が狭き門となる。「2軍の試合に、公式戦に出場という目標設定をする選手もいると思う。2軍の試合に出るために、3、4軍で頑張って」。昨年まで2軍を主戦場とした選手もうかうかしていられない。小久保2軍監督は「去年は2軍で出ていた選手も、今年入ったルーキーの方がいいとなればそっちを使う。2(軍)から3、4(軍)に行く危機感も出てくると思う」と話し、若手の中にも昨年まで以上の緊張感が生まれることを指摘した。

競争はこの春から始まっている。春季キャンプは昨季同様で分離開催とし、3軍以下の選手は宮崎には行けず、筑後で汗を流すことになる。小久保2軍監督は「光る選手がいたら当然、(宮崎に)連れて行きますし、キャンプ中でも動くでしょう」と、ルーキーにもチャンスがあることを明かし、期待を込めた。【山本大地】

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