不動の心で世界に挑む。岡本和真内野手(26)が23日、川崎・ジャイアンツ球場で自主トレを公開。侍ジャパンに内定し、初めて臨むWBCに向け動じない心を強調した。巨人の右打者では史上初となる5年連続30本塁打以上を放った大砲は、巨人でのシーズンも見越しながら、3大会ぶり世界一奪回に挑戦。コンディション調整、練習と不変の意識で臨む。

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特別な“魔法”はない。これまでと変わらぬ自然体で、世界と勝負する。寒空のジャイアンツ球場、岡本和は野球帽でなく、ハットをかぶって現れた。外野の芝をゆっくりランニングして体を温めた。野球には少し似つかない帽子のわけを「ハリー・ポッターにハマっているので」と岡本らしく空気を和ませた。

WBCはあこがれの舞台だった。「そのユニホームを着て、WBCでプレーするのは、僕の中でずっと目標でもあった。そういうふうになれば、しっかり全力でプレーしたいなと思います」とストレートに世界と戦える喜びを語った。前回大会の17年。まだ当時は1軍で通算20試合の出場だけ。18年から4番に定着し、球団の右打者では史上初となる5年連続30発以上という実績を積み重ねた。

巨人の4番という重責を背負い、結果を出し続けてきた。動じない心がある。練習では入念に置きティーでのスイングを「基本中の基本なので」と繰り返した。国際大会では手元で動くボールを操る投手への対応も「僕はいつもどおりやってます」と芯を貫く。3月の決戦は、例年ならばオープン戦の時期。「気持ち的にちょっと頑張ろうと高ぶるところはあると思う」と受け止めた上で「ペースは崩さず、意識せずやっている」と心は乱されない。

アクシデントに備えたオプションも想定する。外野の内定は4人。本職の三塁には3冠王のヤクルト村上がいる。昨年11月の強化試合で取り組んだ一塁に加え、17~19年に計53試合で出場した左翼での出場も頭の片隅にイメージする。「サードもファーストも外野もある程度は守れると思う。どこでもいけます。そこはちょっと自分の強みでもあるかなと思う」。できる限りを尽くし、世界一の力となる。【上田悠太】

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