阪神岡田彰布監督(65)が28日、今季の4番を大山悠輔内野手(28)に任せる方針を明言した。

MBSテレビの情報番組「せやねん!」に生出演し、4番大山、5番佐藤輝の構想を正式に披露。出演後に取材に応じた指揮官は「練習の姿などから、みんなが認めている存在」と4番大山決断の背景を説明した。18年ぶりの「アレ(=優勝)」を目指すチームの不動の軸が決まった。

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今季の4番を問われると、岡田監督は迷わず大山悠輔の名前をあげた。キャンプイン直前のテレビ生出演。「このチームでは大山を4番にしないといけないなというのが見えた」とはっきり言い切った。

なぜ大山なのか? 指揮官は放送後、その真意を言葉に変えた。「練習の姿とかを見てて。やっぱりみんなが認めんとあかんからな。4番というのはな」。昨秋の高知・安芸キャンプで、真摯(しんし)に野球に取り組む大山の姿勢、考え方などに接して、早期決断に至ったのだという。

「言葉とかそんなんじゃないからな。引っ張っていくとかじゃなしに。みんなが見ている姿勢を見て、やっぱり大山かなあというのはキャンプで見えたよな」

それは評論家時代にスタンドからは見えなかったもの。寡黙な主砲はどちらかといえば言葉でナインを鼓舞するタイプではないが、誰よりも4番にふさわしいと感じた。

昨秋はキャンプ初日から大山の打撃改造に着手した。打つポイントを前にして、ボールの上をたたきスピンをかける-。高等テクニックもアドバイスした。前向きに取り組んだ背番号3は、今まで以上に遠くへ力強くアーチをかけるようになった。指揮官は「3週間で変わったのは確か」と目を細め、今季固定する一塁守備についても「うまいよ」と太鼓判を押している。

4番のバットには「やっぱり打点やろ」と昨季自己最多の87打点を上回る打点を期待する。「そこは代えたらいかんわ。4番を代える時は危機の時や」と全幅の信頼を置き、心中する覚悟だ。昨季108試合で4番を打った佐藤輝は5番に置くイメージ。左右のバランスだけでなく「後ろで姿を見るのも大切やしな」と、チーム全体から信頼される大山の背中を見て学ぶことを望む。

テレビ出演中には野球少年から「あと何年で優勝できますか」と質問され、「あと9カ月やないですか」と笑顔。4、5番の構想を固め、12球団最年長監督が春季キャンプ地の沖縄・宜野座に入る。【石橋隆雄】

◆岡田監督の先発4番 阪神で指揮を執った04~08年すべての試合で金本知憲を4番スタメン起用。金本はフルイニング出場で4番の座を譲らず、04年は113打点で打点王、05年はMVP獲得でリーグ制覇に貢献した。オリックス監督時代の3年間は毎シーズン、最低でも約78%以上は1人に固定。12年は全試合で李大浩を4番に据えた。

〇…阪神岡田監督から4番を明言された大山は、沖縄・宜野座での先乗り合同自主トレに備え、空路で沖縄入りした。まだ指揮官から直接伝えられていないこともあり、4番明言については「わからないです。頑張ります」と話すにとどめた。練習姿勢などを評価されたことには「自分のことをしっかりやらないことには後輩の見本にはなれない。まずはしっかり自分のことを。シーズンを通して緊張感を持ち続けていきたい」。今まで通り、背中でチームを引っ張る。

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