岡田の考え&ギータイズムで覚醒の予カ~ン! 阪神佐藤輝明内野手(23)が30日、沖縄・宜野座キャンプの先乗り合同自主トレで初の屋外フリー打撃を行い、特大アーチを連発した。

昨秋の高知・安芸キャンプは岡田彰布監督(65)から、今年1月は合同自主トレを行ったソフトバンク柳田悠岐外野手(34)からアーチ量産の極意を吸収。この日38振で10本の柵越えを放ち、成果を示した。いよいよあす2月1日にキャンプイン。進化発揮の春だ。

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「ガコン!」。宜野座球場に衝撃音が響いた。前日29日は室内で“隠密打撃練習”に終始していた佐藤輝が、初めて屋外フリー打撃に登場。強く、しなやかなスイングで緑のバックスクリーンに白球を直撃させた。38スイングで10本のスタンドインを決めた。

特大アーチ連発にも「いやまあ、まあまあ、普通っす」と意に介さない。左翼へ2本、中堅へ5本、右翼へ3本。飛距離だけでなく、広角に打ち分ける技術も圧巻だった。順調そうな仕上がりにも全く満足しない姿に3年目の風格が漂う。

昨季は確実性を求めた分、打撃が小さくなり、本塁打は1年目から4本減の20本にとどまった。自慢のパワフル打撃を取り戻すべく、昨秋キャンプでは就任間もない岡田監督から高すぎるグリップ位置や、狭いスタンスの修正を指摘された。1月にはソフトバンク柳田に志願して弟子入りし、3日間の合同自主トレ。「スイングが強いので、しっかり振るのが大事なんだな」と、あらためてフルスイングの大切さを痛感した。

全ては23年シーズンを覚醒イヤーにするためだ。指揮官や理想とする柳田先輩の言葉を胸に、オフは鍛え抜いた。フォームの修正点など、詳細こそ明かさなかったが「しっかりやり込んできた」と胸を張り、「それを継続してやっていきたい」と力を込めた。ティー打撃ではバットを短く持ってタイミングを細かく取る、今までにない動きも導入。「片手でしっかり(バットの)軌道を確認しています」。再現性を高めるべく、丁寧に動作を確認した。

この日合流した新助っ人のミエセスとは、片言の英語とスペイン語で会話。早速、コミュニケーションを図った。「まだ恥ずかしがっているところがあるので、引き出していきたい」とサポートを約束。「あんだけ体も大きいのですごい楽しみ。しっかり参考になるところもある」。目の当たりしたパワ-自慢の打撃練習にも刺激を受けた。

31日の休日を挟み、2月1日からはいよいよキャンプイン。岡田監督は5番三塁での起用をイメージしている。4番起用が決まっている大山の後ろを打つとなれば当然、本塁打&打点量産が求められる。誰もが期待する男の球春が、いよいよやって来る。【中野椋】

◆佐藤輝の柳田への弟子入り 志願して今年1月18日から3日間、広島・呉市内で合同自主トレを行った。同じ左打ちのスラッガーの柳田は「最強の手本」として映像で研究を重ねてきた憧れの存在。“マン振り”とも評される柳田のパワフル打撃を目の当たりにし「スイングが強いので、しっかり振るのが大事なんだな」と再確認。「走攻守全部できるのはすごい。僕もそうなりたい」と目を輝かせた。柳田からは「素晴らしい打撃。それしか(言葉が)出てこないです」と、昨秋のキャンプから継続する23年型への打撃改造にお墨付きをもらい、自信を深めた。

◆佐藤輝への岡田監督の指導 就任直後の甲子園秋季練習で、打撃改造の必要性を指摘。「下半身が弱い。スタンスが狭いということは重心が高い。くるくる回って力がない」。侍ジャパンの強化試合を経て高知・安芸での秋季キャンプに合流した際には「これじゃあかんと思うよ。びっくりした。(三塁と主軸を託す構想も)今日の動き見とったら分からへんわ、ほんまに」と危機感を植え付けた。11月15日には「ボクシングのパンチ、や。猫パンチじゃない」と初の実演指導にも乗り出した。佐藤輝も「試して自分のものもにできれば」と感謝し、意欲的に打撃改造に取り組んだ。

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