日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手(22=日体大)が、沖縄・名護キャンプ初日に行われる紅白戦に「2番DH」で“プロデビュー”する。キャンプイン前日の1月31日は、タピックスタジアム名護で軽めの練習を行って準備は完了。野手として臨む“プロ初実戦”に「注目してもらいたい」と、堂々と宣言した。日本球界の新たな投打二刀流選手が、いよいよ本格始動する。

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気負いはないが、気持ちは高ぶってきた。キャッチボールなどを終えて引き揚げてきた矢沢は、1日の紅白戦の打順を確認済みだった。「2番ですね、たぶん。2番DH」。プロでの初実戦は野手として臨み、上位打線に組み込まれたという。注目が集まるのは必至だが、それも歓迎。「たくさん注目してもらいたいので、よろしくお願いします。頑張ります」と、笑顔で力強く意気込んだ。

対戦相手は昨春キャンプでサイドからアンダースローに転向した先発ローテ候補の鈴木の予定だ。これまでの野球人生で下手投げとの対戦は「ないですね」。イメージが湧きづらい相手だが、慌てないところが矢沢流。「自分のことだけ考えます。しっかり振る。そこだけ」と、自分のスイングを貫くことに集中する。初球を振るかどうかも「反応に任せます」と、自然体で臨むつもりだ。

ただ、この日は自然体を貫くことが難しい“初体験”があった。シーズン中に大型ビジョンで流れる選手紹介用の映像撮影に臨んだ。早ければ20分ほどで終わるが、投打のバージョンを撮影する矢沢は1時間ほど時間を費やした。苦戦したのは笑顔。「真顔だったら得意なんですけど、笑ってくださいって言われたらどんどん(表情が)硬くなっちゃう」と、苦笑いで振り返った。

そんな緊張感はグラウンド外だけだ。「野球が始まっちゃえば大丈夫です。野球は今までやってきているので」と、キャンプインが待ち切れない。投手としては順調なら第1クール3日目に初ブルペンを予定。野手としてはベースランニングやスライディングなどのスキルアップも重点強化ポイントとなりそう。まずは「もちろんヒットが出ればいいのかな」と、幸先よく“プロ初安打”を放って、新たな二刀流の本格始動の号砲とする。【木下大輔】

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