楽天田中将大投手(34)が、変化のキャンプを送っている。3日目で初めてブルペン捕手に座ってもらい、51球を投げ込んだ。21年に楽天に復帰し、2年間で13勝。巻き返しの今季へ向けて、アプローチの仕方を変えて準備を続けている。フォームも変更。試行錯誤で新たなスタイルを追求している。大胆かつ冷静に投球を見つめ直し、自身の日米通算200勝と10年ぶりの優勝を目指す。

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田中将は、ウオーミングアップが済むと、ブルペン捕手にベースをまたぐように座ってもらった。1球1球感触を確かめながら投げ込む。若手たちも食い入るように見つめた。31球を投げると、今度は定位置に。合計51球、途中カーブを3球織り交ぜた。「まだ調整段階。距離を縮めた中で、しっかりと体の動きなどの確認です」と明かした。

投球フォームにも変化が見られた。昨年は胸の前で構えていたグラブを数センチ下げたことに加え、右足と平行だった左足を半歩ほど三塁側に出して構える。「極端に意識する段階でのこと。あれをゲームでやるかは分からないです」とするも、「体重を乗せるポジションの意識です」と説明する。

昨年のキャンプは初日に座った捕手を相手にブルペン入り。狙いもやりたいこともあるから、例年と違うスケジュール感で臨んでいる。「構えた段階から最後のフィニッシュまで、そのスタートは決まっていると思う。立っている姿勢や、動き始めは意識しながらやっています。それが意識せず投げられるように」と数をこなし、どんどん状態を上げていく。

24勝0敗1セーブで球団史上初の優勝へ導いてから10年。自身の日米通算200勝まであと10勝に迫っている。年齢を重ねたが、その頃と平均球速は「147、148ぐらい」と変わらない。制球やボールの変化、キレなど細部を徹底的に詰めていけば、チームとしても個人としてもいい1年を送ることができる。そのための改良だ。「ゴールの形はどうなるかまだ分からない。頭の中でありますけど、やりながらです。やりながら変えていくと思う」。貪欲に理想の形を追い求めている。【湯本勝大】

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